※スクスタ1章と優木せつ菜のキズナエピソード4話までのキャプチャーを使いますので、ネタバレを嫌う方はご注意ください。
因みにですが虹ヶ咲のキャラクターのキズナエピソードはμ'sやAqoursのキズナエピソードより簡単に解放されるようになっていますので是非!(虹ヶ咲はキズナレベル7で最新の5話まで解放されます)
スクスタが9月26日にリリースされましたね。
当初は「ストーリーがダメでも、MVが優秀ならMV集として使えるし、MVがダメでもストーリーが優秀なら"ラブライブ!"の物語として楽しめるな~」くらいに思っていたら、どちらも優秀で完全にやられてしまいましたね。参りました。
今まで分からなかった虹ヶ咲のキャラクターの設定も少しずつ明かされました。
明かされた設定を基に推し(暫定)である優木せつ菜がいかに魅力的かという話をしたいと思います。
1.優木せつ菜とは
まずは、優木せつ菜の紹介文です。
虹ヶ咲学園2年生。他校からも注目を集める期待のスクールアイドル。
元気いっぱいの笑顔とパフォーマンスが持ち味。スクールアイドル活動で忙しいためか、「校内でその姿を見た人はいない」という都市伝説のような噂もある。
<意気込みコメント>
みんな、元気ーっ? 優木せつ菜ですっ!
私ね、じつは大きな野望があるんですっ! ちょっと恥ずかしいけど勇気を出して言いますね。
それは”大好き”を世界中に溢れさせちゃうスクールアイドルになることなんですっ!
(以下略)
初めてこの紹介文を見た感想は「どういうこと?」でした。
いや、あまりにツッコミどころが多すぎて。
校内で姿を確認できない?
野望は"大好き"を溢れさせること???
え?なんで??
当初は孤高のトップスクールアイドルで他のキャラクターとは距離を置いているようなイメージなのかなと思っていたら、みんなとの距離感も別に普通。
あと、やけにはきはき喋るのがちょっとうさんくさい。
そういうところも含めこの情報だけでは、設定に??しか浮かびませんでした。
虹ヶ咲のキャラクターには"○○系スクールアイドル"というそれぞれのキャラの個性を一言で示す言葉がありますが、せつ菜は当初"??系スクールアイドル"でした*2
リリースされるまでは、しずく(見た目も雰囲気も好み)か歩夢(見た目が好みでおしとやかな幼馴染感があるのが凄く良い)の2人が良いなあとしか考えていなくて、せつ菜の見た目は好みだけどちょっとよく分からんな、と思っていました。
しかし、リリースされてせつ菜に気持ちが傾き始めました。
2.スクスタで明かされたこと
2-1.生徒会長「中川菜々」であったこと
<第1章10話>
生徒会長に同好会のメンバーを10人集めなければ解散と言われ、何とか8人を集めた「あなた」。
9人目として元々のメンバーであった優木せつ菜を探すものの、「校内で姿を見たことがない」という噂に違わず、せつ菜を見つけることはできない。
どうやって優木せつ菜を見つけるかで困惑していた同好会メンバー。そこに現れたのは生徒会長でした。
スクールアイドル・優木せつ菜は虹ヶ咲学園の生徒会長・中川菜々でした。
<第1章2話>
このこと自体は特に物凄く驚きという訳ではありません。
(メタ的な見方ですが)「ラブライブ!」シリーズはキャラクターが比較的に限定的な"閉じられた物語"であること、1章の前半でかすみのせつ菜に対する印象と菜々に対する印象はかなり近いことからこの展開は「絶対そうだろ!」とまでは言わなくても、その可能性は大いにあることはシリーズのファンならば想像はできます。
ここで重要なことは優木せつ菜という虹ヶ咲学園の生徒は存在しなかったということです。
つまり、"「校内でその姿を見た人はいない」という都市伝説がある"という一見謎な設定を回収したのです。この設定ってそういう回収の仕方をするのか…ということの方がむしろ驚きでした。
2-2."優木せつ菜"の生まれた理由
なるほど、つまり虹ヶ咲学園での学園生活では"中川菜々"として過ごし、スクールアイドルとしては"優木せつ菜"として振舞う。
"優木せつ菜"は"中川菜々"の別の人格だった訳です。
しかし、今までの「ラブライブ!」シリーズのスクールアイドル、それどころか虹ヶ咲の生徒ですら、偽名を使ってスクールアイドル活動をしていた人物はいません。
わざわざ偽名を使ってスクールアイドルをやっているということは"中川菜々"ではスクールアイドルが出来ないなんらかの制約が存在すると考えるのが筋です。
確かに"中川菜々"にはスクールアイドルの活動できない理由があります。
<キズナエピソード3話>
<キズナエピソード4話>
中川菜々は家庭環境によりスクールアイドルを禁止されているのです。それどころか、アニメや漫画も禁止されています。
中川菜々では大好きなスクールアイドルになることができない。
だから、彼女にとって"優木せつ菜"という存在が必要なのです。
ちなみに優木せつ菜という名前は大好きなライトノベルのユウキくんとセツナちゃんから取っているとのこと。
3.優木せつ菜と"好き"に関する4つの魅力
ここまでは前置きでここからが本題です。
まず、名前も好きなものから取ったというように、せつ菜は"好き"に真摯です。
そしてそうありたいのだと思います。
真摯であるからこそできるもあるし、真摯であるがゆえに躓いてしまうこともあります。そのどちらもせつ菜の魅力だと私は思っています。
3-1."好き"を溢れさせる
スクールアイドルやアニメを禁止されているということは、中川菜々は自由に"好き"を"好き"と言える環境になかったということが推測できます。
アニメやゲームが好きな中川菜々という存在は親によって否定され、"好き"と言いたくても"好き"と言うことはできず、大好きなスクールアイドルになるということも叶わない。
中川菜々では出来なかったことを満たす存在として"優木せつ菜"は生まれた。
最初<意気込み>の部分に(以下略)と書きましたが、ここには続きがあります。
<意気込み>の続き
今の世の中、好きなことを素直に好きって言うの、ちょっと難しいじゃないですか。恥ずかしかったり、誰かにバカにされちゃったり、色んな事情があったり。
でもね、スクールアイドルの世界ってそんなことなくて、やってる人も、応援してる人も、みんなスクールアイドルが大好きで、素直に大好きって言えちゃう。
キラキラしてて、楽しくて、とっても優しい世界。
だって、ここには大好きが溢れてるから。
そんな、誰もが大好きを言えちゃう世界を、私はもっともっと広げていきたいんですっ!
果てしない夢かもしれないけど、みんなとならいつか実現できると信じてます。
私と一緒に大好きがいっぱいの世界を作っちゃいましょう! よろしくお願いします!
「それは”大好き”を世界中に溢れさせちゃうスクールアイドルになることなんですっ!」
当初意味の分からなかった優木せつ菜の野望は、"好き"を"好き"と言えない環境にある人を応援するためにあるのではないかと思うのです。
中川菜々は"好き"を"好き"と言えなかった。
せつ菜は、同じ境遇の人たちの苦しさを理解しているからこそ、"大好きを世界中に溢れさせたい"と願い、自分自身が"好き"を伝えているのだと思います。
3-2."好き"を守る
彼女がやっていることは何も"好き"を伝えるための活動だけではありません。
自分の"好き"を守るための活動も怠らないのが優木せつ菜です。
<キズナエピソード2話>
せつ菜は身を隠してスクールアイドルをやっているから、他のキャラクターに比べて"好き"を脅かされる可能性が高い。
だから、その"好き"を守るために生徒会長を買って出ることで、自分の自由を確保しているというところがあまりに眩しいなと感じます。
<キズナエピソード1話>
中川菜々だろうが、優木せつ菜だろうが中身は違えど、やっている行動は全て"好き"に真摯であるためです。
また、スクールアイドル活動をするための環境作りをすることは、むしろ中川菜々にしか出来ないことです。
裏では環境作りまでに真剣。それが“本気系スクールアイドル"と言われる所以なのかなと思います。
3-3."好き"との葛藤
優木せつ菜のソロ曲「CHASE!」を、スクスタを踏まえてみると大分印象が変わって見えます。
「CHASE!」はまるで"中川菜々"から"優木せつ菜"が生まれる瞬間を歌ったような曲だと思っています。
1番のA/Bメロが葛藤する菜々の過去と決意、
サビは優木せつ菜となった今の気持ちなのかなと思います*3
<A/Bメロ>
大事な気持ち まるで裏切るように過ごした
昨日にはもうバイバイして
繰り返した リスクと後悔
言い訳ばかり探して決めつけた
振り回すのはやめて
足を踏み出す 最初は怖いかも「CHASE!」
この歌詞からは「"好き"を裏切り、リスクばかりを考えて、言い訳ばかり探して諦めていた」"中川菜々"が浮かんできます。
中川菜々、いや、優木せつ菜だってきっと"怖い"はずなんです。
その直後にはこう歌われています。
でも「進みたい」 その心があれば!
「CHASE!」
中川菜々の葛藤とでも「進みたい」という決意。
その決意の証を具現化したものが"優木せつ菜"なのだろうと。
そして、サビでは"優木せつ菜"としての思いを歌っています。
<サビ>
走り出した!思いは強くするよ
悩んだら 君の手を握ろう
なりたい自分を我慢しないでいいよ
夢はいつか ほら輝き出すんだ「CHASE!」
「なりたい自分を我慢しないでいいよ」
この言葉は彼女の野望から言えば、"世界中"のみんなに言っているものだと解することができます。もちろん、そう読むこともできます。
しかし、"世界中"の中には中川菜々も含まれているはずなのです。
「あの時の決断できたことが良かった。なりたい自分を我慢しなくて良かった。ありがとう。」
この歌詞はまるで"もう一人の自分"である"優木せつ菜"が過去の"中川菜々"にも語りかけていているかのようだと私には思えるのです。
3-4."好き"に不器用
せつ菜と言えば、"好き"なことについて話していると暴走してしまうという性質があります。
<キズナエピソード3話>
「あなた」とせつ菜が帰りの支度をしているすると、せつ菜は鞄の中をぶちまけてしまう。
ライトノベルを読んでいることに自信なさげだったせつ菜ですが、「あなた」がこのライトノベルを知っていると言うと優木せつ菜は一気にテンションが上がり、暴走し始めます。
というかそもそもなんでせつ菜は"好き"について話すぎて(暴走)してしまうのでしょう?
"好き"に真摯だから?まあそれもあると思います。でもそれ以上に大きな原因があると思っていて。
「私、あまり人とそういう話はしたことがない」とあるように、好きなことについて話す機会がなかったからだと思うんですよね。
だから暴走してしまうというのは好きを好きと言える経験に乏しく、"好き"に不器用なんだなと思うのです。
<キズナエピソード4話>
「あなた」が飲み物を持ってくると漫画に没頭しているせつ菜。
「"大好き"を世界中に溢れさせる」なんて野望を持っているのに、自分自身は好きなものを1人で楽しんできたため、伝え方や向き合い方が決してかっこよくはない。
それどころか「あなた」からは"子供っぽい"と評されている。
でも、その絶妙なアンバランスさが優木せつ菜というキャラクターに人間らしさをもたらし、とっっっても可愛いなと思っているところなんです。
4.今後の展望(妄想)
ここからは蛇足ですが、私が今後"見たい"せつ菜の話をします。
この部分は完全にただの妄想なので聞き流して貰えればと思っています・・・笑
- せつ菜がスクールアイドルになった理由
虹ヶ咲のキャラクターで元から同好会にいたのは転入組3人+せつ菜、かすみの5人。せつ菜(とかすみ)に関しては、転入してきた訳でもないし、「あなた」に言われずとも最初からスクールアイドル同好会にいた訳です。
「私高校生になったら絶対スクールアイドルになりたいって思っていて」
キズナエピソード4話
こんな思いがあるということは、高校生になるまでにスクールアイドルに憧れたり、救われたりするエピソードがあるのではないかと思っています。
- 原体験
つまり幼少期のエピソードです。
「ラブライブ!」シリーズといえば原体験の描写が出てきますが、現状せつ菜にそのような描写はありません。
普段は"好き"を隠して生活しているということは、
ただ無垢に"好き"だと言っていただけなのに
その気持ちを家庭環境で曲げられてしまったという中川菜々の原体験があるはず。
そのエピソード自体にも興味があるし、"好き"を言う自由を奪われた幼少期の中川菜々は何を思ったのか。気になって仕方がない。
5.おわりに~優木せつ菜は理想の自分なのか?~
ここまで書いた内容(特に後半)のほとんどは憶測です。
語るにはあまりにも物語が不足している。
物語の展開によって見解は変わりうると思いますし、これからもっとせつ菜の魅力やせつ菜の過去の話は掘り下げられるのでしょう。
しかし、決して情報が十分とは言えない今でも、少なくとも優木せつ菜が"好き"を世界中に溢れさせたいという気持ち、そしてその魅力は伝わってきます。
今回はキズナエピソードを中心に紹介させていただきましたが、私が一番最初に優木せつ菜に強く惹かれたのは第7章6話のこのセリフでした。
<第7章6話>
キズナエピソード読まずにこのセリフを読んだ時、
「中川菜々は家庭では"好き"を自由に言えないのだろうな…」
とせつ菜の苦労を察しはじめ、その息苦しさから優木せつ菜は生まれたんじゃないかと思い始めました。そこから一気に惹かれて興味を持つようになっていきました。
"好き"への熱い真っ直ぐな思いとその行動力はとても立派でカッコいいと思えます。
でも、"好き"への思いが強すぎる故に葛藤があったり不器用だったり、そんな人間らしさを感じる部分はとてもかわいいなと思えて。
その両面共とても好きでとても共感してしまいました。
私もブログどころかオタクとの話もいつも長いし…
せつ菜を見て「どうして?」って考えて、こうやって色んな事に気づく度に、
心から応援したくなって、好きになって、"特別"になりました。
(暫定)と書きましたが、余程のことがない限り私は多分せつ菜推しのままなのでしょう。
さて、タイトルの優木せつ菜が理想の自分か?という問いですが、そうだと思います。
ただし、普段は見せない不器用さや幼さなどを含めて、"大好き"を溢れさせている"優木せつ菜"こそが"中川菜々"のなりたい自分なんだと。
理想とは誰かが望む「完璧な存在」という理想じゃなくて"中川菜々"の理想なのだろうと思います。
道は不確かだけど 好きだからできる
私らしく輝いていける気がして「MELODY」
せつ菜を見ているとやっぱり"好き"って強いなと思います。
せつ菜の"好き"は、「結果が出るから好き」という見返りを求めるものじゃなくて、「ただ純粋に楽しくてしょうがない」というのが伝わってくることが凄く良い。
もし、気になった方がいれば菜々とせつ菜の声を比べてみて欲しい。
菜々がいかに感情を押し殺しているか、そしてせつ菜がいかに楽しそうに喋っているかを感じて欲しい。
せつ菜がうさんくさいと思ってしまうくらいにあんなにはきはきと喋っているのは楽しくてしょうがないからなんだなぁって。
まさに「輝くって、楽しむこと」なんでしょう。
この記事で少しでもせつ菜の魅力が伝わってくれたら嬉しいです。
あの空までほら 届け!
優木せつ菜「MELODY」