"好き"の力信じて

"好き"の話をします。ラブライブ!、石原夏織、楠木ともり、逢田梨香子、アニメなど。

2期7話「残された時間」私の羽根が青くなる瞬間

皆さんはアニメを見るにあたって、何を重視しますか?

 

絵?キャラクター?演技?物語の整合性?
確かにどれも著しく欠けているとつまらないですよね。

 

で、お前はラブライブ!サンシャイン!!のどこが好きなのって?


この中のどれでもありません。

形容しがたいですが、あえて言葉にするならば、それは「メッセージ」なのかなと。

 

私はこの作品に出会って設定が無茶苦茶ても、
「メッセージ」がその設定の無茶苦茶さを超越して物語に人の心を動かすような力を持たせることを思い知りました。

 

以前から3rd LIVE 埼玉で初めて参戦して、福岡でファンになったという話をよくしています。

 

……そもそもこれも変ですよね。

ライブにほとんど行ったことがなかったオタクが大して好きでもないアニメのライブに行かなくない?
どう考えてもお金と時間の無駄じゃない?

 

やはり、作品も多少は面白いと思っていないと踏み出せなかった訳で、3rd LIVEにそもそも少しでも「行きたいな」と思わせてくれたお話があります。

 

それがラブライブ!サンシャイン!!」2期7話「残された時間」でした。

 

以前「想いは”今”書かないと逓減していつかは忘れていってしまう」と書きましたが、この話をリアルタイムで見た時の衝撃は未だにずっと忘れられません。

 

2年前、この話を見た時、痛みからの救済をたったの24分で感じました。

 

ここからは、出来る限り2年前にタイムスリップした気持ちで書きたいと思います。

 

前回までのあしかさん!


μ'sの2期直前にあった1期の一挙放送で3話「ファーストライブ」における「START:DASH!!」の誰もいないステージを見て心を打たれました。

 

そこからμ'sが好きで、μ'sが大きなことをアニメでもリアルでも叶えていくのを見て一緒に喜んだり、ライブには行けなかったけど、映画もちゃんとリアルタイムで観に行きました。

 

しかし、行ってもいないFinalを迎えて以降、そのμ'sの代わりは見つからないまま始まったのが「ラブライブ!サンシャイン!!」の1期。

 

1期はよくわからないまま終わり、Aqoursはあんまりだな〜と思っちゃいました。

 

2期はラブライブ!だしもしかしたら面白くなるかもしれないし、という義務感でそれと同時に冷めた気持ちで見ていました。

 

え、あの名回「MIRACLE WAVE」が始まるところだけで泣いてしまう2期6話「Aqours WAVE」の当時の感想ですか?

申し訳ないけど、まっったく覚えていません

 

多分嫌いとかそれ以前に無関心だったんでしょう。

無関心というのはとても残酷で、この話以前のストーリーに対してどう思ったかをほとんど覚えていないのです。

 

本編

2期7話は大きく「痛み」(Aパート)と「救い」(Bパート)に分けられると思っています。

 

痛み

という訳で、全く真摯に見ていなかった私は2期7話の序盤ですら、最初は設定の粗を突き、嘲笑っていました。 

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自分の当時の感想のスクリーンショットです(生々しいです)


こんなそんな冷めた姿勢でツッコミを続けながら、ただただ、ラブライブ!サンシャイン!!を"消費"していました。

 


そう、あのシーンまでは。

「98!」

 「時計は?」

時計は期限の時間まで僅かであることを示している。

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「大丈夫。大丈夫。絶対に届く!届く!

・・・大丈夫!

・・・届く!

・・・届く!」

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そうだよね、今こそたったの1分の間にあと二人が入学を希望して廃校を救って"奇跡"が起こる瞬間なのだろう。

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「募集終了・・・?」

「時間切れですわ」

 

 

募集終了...?は...?

 

いやいや、嘘でしょう?

 

え、これって、"みんなで叶える物語"だよね?

だからμ'sが叶えた物語をAqoursは同じように叶えていく。

 

2期に入ってからなんかよく分からんけど、千歌が奇跡がどうとかしつこいくらい言ってたじゃん。

 

奇跡を起こすんじゃないの?起きるんでしょう?

 

あんなに1期だってμ'sとシンクロしてたしμ'sがμ'sがって言ってたじゃん。加入回も水着回もすげえシンクロしてたじゃん。何もかも「同じ」だったじゃん。

 

だから学校を廃校から救って、ラブライブ!に優勝して、

それはμ'sと同じ「奇跡」のはず.......

 

いや。あれ、、、待てよ。

 

誰がμ'sとAqoursの奇跡が、物語が同じだって言ったんだ?


μ'sが好きだった。だからμ'sが叶えていく姿と全く同じものをAqoursに求め、それが満たされないと文句を言い、けなし、嘲笑っていたのは誰だったのだ?"μ'sの奇跡"をAqoursが全く同じように辿って叶えていくんだってそれを確信して見ていたのは誰だったんだ?

 

私でした.........

まんまと騙されていたことに気付いてしまいました。

 

「じゃあなんで学校がなくなっちゃうの?学校を守れないの?そんなの・・・そんなの・・・」

 

そんなのってあんまりだ。女子高生が抱えるにはあまりに重すぎる挫折。

頑張れば報われて「奇跡」を起こして廃校を救える、そうあるべきなんだ。
というか、「ラブライブ!」の物語はそうあるはずだっていつの間にか信じきっていた。
こんなのあまりにも救いはないじゃないか。

"みんなで叶える物語"ってなんなんだ。

 

募集終了の文字を見た時、色々なことが頭の中で巡ってきました。

今までつまらなそうに惰性で携帯を見ながら見ていたのに、携帯を投げ捨ててただ放心していました。

 

μ'sのような物語を1期では嫌というほど意識させられていて、Aqoursのことを全然知らない私には少なくとも物凄く衝撃が強かった(自分以外の周りの友人でも一定数同じような評価の人はいました)。

 

救い

廃校が決まっていくことですらただ衝撃的なのに、それだけではありませんでした。

そして最後の屋上で集まるシーン。

結局大きな失敗体験は時間が解決するのでしょう。

「やっぱりみんなここに来たね」

「結局、みんな同じ気持ちってことでしょう?」

失敗があってもラブライブ!には出続ける、輝きを見つけるためにスクールアイドルを始めたのだから。

皆の気持ちは一致していたはずでした。

 

しかし、千歌は一致したみんなの気持ちを否定しました。

「(輝きは)見つからない。
だってこれで優勝しても、学校はなくなっちゃうんだよ。
奇跡を起こして、学校を救ってだから輝けたんだ。輝きを見つけられたんだ。
学校が救えなかったのに輝きが見つけられるなんて思えない。」

 

奇跡を起こして、学校を救ってだから輝けたんだ。

この発言の根本にあるのは"μ'sの奇跡"なのでしょう。

千歌にとって初めて「輝いてる状態」を認識したのはμ'sで、そのμ'sのように輝くためには一番分かりやすく比較できるのは結果です。

千歌が述べている廃校を阻止出来たか/否かというのはとても目に見えやすい結果です。その点で見ればμ'sより劣っている、つまり輝けていないことになります。

 

1期12話で千歌は確かに「μ'sをなぞること」≠「輝くこと」と述べていますが、千歌はμ'sの奇跡を信じた第一人者で、「廃校の危機」というμ'sと同じ状況にあるが故、比較することを必要以上に意識させられてしまって、その目的がズレていってしまったのでしょう。

人間がこのような「過ち」や「誤認」を犯してしまうことは何も不思議なことではなくて、むしろそこに高海千歌の人間らしさを感じられると私は思っています(当然ですが放送当時はここまでは考えてませんでしたがね)。Aqoursについてファンが褒める時「不屈の精神」という言葉がよく使われますが、そもそも一度は曲がらないと「不屈」なんて単語は出てこないですしね。

 

「私ね、今はラブライブ!なんてどうでもよくなってる。私たちの輝きなんてどうでもいい。学校を救いたい。みんなと一緒に頑張ってきたここを…」

「じゃあ救ってよ!」

それは浦の星女学院の生徒の声でした。

 

「だったら救って!ラブライブに出て、優勝して!」

「出来るならそうしたい、みんなともっともっとあがいて、そして…」

「そして?」

「学校を存続させられたら…」

「それだけが学校を救うってこと?」

私たち、みんなに聞いたよ。千歌達にどうしてほしいか、どうなったら嬉しいか。

みんな一緒だった。ラブライブ!で優勝してほしい。千歌たちのためだけじゃない。私たちのために。学校のために。この学校の名前を残してきて欲しい。

浦の星女学院スクールアイドルAqours。その名前をラブライブ!の歴史に、あの舞台に永遠に残してほしい

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ラブライブ!サンシャイン!!で私が一番好きなシーンです。

「救う」ための手段というのは何も廃校という学校の実物を存続させることだけではありません。

そうじゃなくても浦の星女学院の生徒のみんなが「救われた」と思えれるものであれば手段なんてなんでもいいのです。

その一つの手段が「ラブライブ!で優勝して名を刻むこと、永遠に語り継がれる存在になること」でした。

それだって立派な「救う」という目的にかなった手段です。

  

学校は消えてしまうはずなのに、浦の星女学院の生徒達はとってもポジティブで、千歌達の努力も全て分かっているから、新しい案でAqoursを救ったのだと思います。

そう思っていくうちに、私は涙が止まらなくなりました。初めてラブライブ!サンシャイン!!で本気で泣いてしまいました

 

そして今までの自分の向き合い方に少し後悔し、

「μ'sとAqoursって全っ然違うんだな…。Aqoursもすごく良いじゃないか」と思えました。

その時僕の手に落ちてきたのは白い羽根ではなく、青い羽根でした。

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おわりに

夢は全ては叶わない。

ラブライブ!サンシャイン!!はそんな痛みを教えてくれた。

 

だけど叶える手段は一つではない。

手段どころか夢ですら変わってもいいんだ。

形を変えて夢は残り続ける。

ラブライブ!サンシャイン!!はそんな救いも教えてくれた。

 

何度だって追いかけようよ 負けないで

失敗なんて誰でもあるよ 夢は消えない 夢は消えない

勇気はどこに?君の胸に!

 

私がラブライブ!サンシャイン!!で一番強く印象に残って、今も残り続けているメッセージでした。

 

そんな強いメッセージを受け取った時、前半のむちゃくちゃ粗い設定は全てどうでもよくなってしまいました

 

これ以降、心を入れ替えて毎回携帯を投げ捨てて集中して見ていればよかったんだけど、結局真面目に見たり見なかったりで、そんな自分をまた夢中にさせたのは12話、13話でした。

 

でもこのお話が無ければきっと12話の「WATER BLUE NEW WORLD」の『「諦めない!」言うだけでは叶わない「動け!」動けば変わるんだと知ったよ』、『夢は夢のように過ごすだけじゃなくて痛み抱えながら求めるものさ』という歌詞がすぐ刺さることも、13話の優勝という栄光を手にしたのにも関わらず、輝くことに悩む千歌の葛藤も共感できなかったのでしょう。

 

現実はとても苦しい。そしてその苦しさを生む要因はとても理不尽。

だけど、見方を変えれば、必ずどこかに救いがある。実は現実は意外と優しい...のかも。

そんなラブライブ!サンシャイン!!の良さが詰まったお話だったなと思っています。