2018年7月8日12時。私は飛行機で福岡に移動していた。
Aqours 3rd LIVE TOUR福岡公演Day2、福岡公演の千秋楽に参加するためだ。
当日は13時過ぎに福岡空港に着き、博多ラーメンだけ食べてギリギリで開演に間に合った。
そして始まる3rd LIVE TOUR千秋楽。
公演前
私は「ラブライブ!」(無印)シリーズから好きだった。2期直前あたりからのファンだ。
だけど、μ'sに会うことは最後まで叶わなかった。5th/Finalとライブに行くためのチャンスはあったけど全部落ちた。ファンミは申し込みすらしなかった(ミミミのCD持ってるのにね…)。
μ'sがFinalライブを迎えてから会えなかった無念の気持ちに満ちていた。
そこで、その穴を埋めるために割と色々な物に手を出した。
だけど、μ'sを失ったことを満たしてくれる「何か」はなかった。
Aqoursもその手を出した色々な物のうちの一つであった。
1期は「青ジャン」「ユメユメ」のCDは買っていたしむしろ期待していた。だけど、1期の最終話まで見て特段μ'sのような価値を感じられず(むしろ当時は理解不足故に13話なんてクソだろと思っていた(注:今は思ってないです))、他界した*1。
2期で大分好きなアニメにはなったものの特別な作品とまではいかなかった。
今や考えられない話だが、当初私が3rd 埼玉に行った理由の一つに「μ'sの代わり」を求めて臨んだという側面があったことははっきりいって否定できない。
いや、Day1の「MIRACLE WAVE」で伊波杏樹さんが跳んだ時本当に感動したのは事実だし、12.5話も凄く良かった。3rd埼玉でライブ楽しかったなあ4thも行きたいなあと思ったのも事実だ。
だけど、いまだに自分が「μ'sのような何か」を探していたのもまた事実であった。
そんな私に何の因果があったのか、大学から仲のいい友人にラブライブ!(無印)を勧めたらドハマりし、そのままAqoursにハマった友人が福岡公演のチケットを用意してくれていた。
公演本番
開演時のキャラクター紹介での「起こそうキセキを!」を聞いた時だった。
恥ずかしながら劇伴にものすごく無頓着であったため、この時この曲が「キセキヒカル」の元となる曲だと初めて知ったのだ。
ファンにとっては常識だろ?え、お前は何を聞いていたんだ?
その通りで、自分は正直この時まではファンに満たない存在だったのかもしれない。
「起こそうキセキを!」を聞いた時のカタルシスは物凄く、自分の無頓着さはその意味でものすごく得であった。
「起こそうキセキを!」、幕間で流れるメロディー。全て「キセキヒカル」だった。幕間を聞いていくうちに、自分の中で"Aqours"の見方が変わり始めた。
最初のMC巻き気味だなとか、「DROP OUT!?」披露された!!おお~とか思っていたら12.5話の幕間が流れ埼玉と同じ「青空Jumping Heart」が流れた。埼玉だとこれで終わりだったし最後の曲なんだろうな~と思った。
「青空Jumping Heart」が終わり、「ありがとうございました~」と言うAqours。
しかし、Aqoursははけなかった。
間を空けずに幕間で何度も流れていたメロディーが流れ始めた。
「キセキヒカル」だ。
この曲が流れた時、自分の中で衝撃が走った。
そして「あぁ、埼玉をスタートとして福岡が完全版のゴールなんだ。だから"LIVE TOUR"なんだ」と理解できた。
その集大成として「Aqoursの軌跡」を歌った曲を最後の最後に歌うのかと。
ああ、なんて綺麗なライブなんだと。
1年前、自分は福岡公演の感想としてこのように述べている。
ただ、曲とアニメの融合したライブを見せるのではなく「キセキヒカル」という曲を千秋楽に出すことで、休憩時間のような幕間にすら、文脈をつけてしまう。もはやこれはライブだけでもアニメだけだけでも楽曲でもない全てが有機的に繋がっている芸術作品だなと感じました。
私がラブライブ!サンシャイン!!のライブに感じている、求めていることってこういうことなんだと思う。
ライブはアニメとは不可分な存在で、だけどアニメそのものではない。アニメが不完全という訳ではないが、ライブによって現実のキャストがアニメや「ラブライブ!サンシャイン!!」という作品のメッセージを補強する。
埼玉と変わったのはたったの4曲(「DROP OUT!?」、「キセキヒカル」の追加、「Landing action Yeah!!」→「ホップ・ステップ・ワーイ!」、「勇気はどこに?君の胸に!」が普通Ver→合唱Ver)。
「ホップ・ステップ・ワーイ!」の選曲はAqours CLUB 2018に移行したからだと解すると、たったの3曲しか変わっていない。けれども、その3つの欠けていたピースが埋まることで3rd liveは"芸術作品"として完成されたんだと思う。
この「キセキヒカル」を聞いたとき、私の中でAqoursはμ'sの代わりではなくてAqoursという特別な存在になった。
2年越しに自分の中の"呪い"から解放されたような気分だった。
そしてきんちゃんがMCで願っていたように「Aqoursが居場所になった」瞬間だった。
ラブライブ!シリーズだからとかそうじゃなくて、Aqoursが本気で好きになった。
それから
「動いてないと探せない」
キセキヒカルではそう歌われている。
「自分も動かなきゃだめだ。」
福岡公演が終わった後、何かをしたくて、普段本なんて読まないのに一冊の本を手にした。
何かをやるのに遅いということは決してない。 自分を進化させる53の方法
- 作者: 白石尚久
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/07/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本の概要は以下の通り。
18歳からサッカーを始めた筆者が名門大学でサッカー部への入部を拒否される。だけど、あがいてあがいてアルゼンチンで練習生となり、選手としてキャリアは短いもののプロ選手となれ、アジア人初の女子サッカー一部リーグの監督になった。そして最終的には本田圭佑の専属分析官にまでなった。
普通サッカー選手って(メジャーなスポーツはそうだと思うが)小学生から初めて、中学~高校生で名門校に入って、その功績が認められて大学に推薦で行ったりするのだろう。
でも彼が始めたのは大学から。だから、当然のように所謂「普通のサッカー選手」にはなれなかった。
だけど、あがいた結果が評価されサッカーに関わる仕事を続けることが出来ている。
望み通りに夢は叶わない。人生なんてそんなものだろう。
だけど、叶わないからといって遅すぎるから諦めるのだろうか?そもそも遅すぎるってなんだ?明確な期限は存在するのか?
サッカーに限らず、アスリートがプロ選手としてやっていける確率はごくわずか。
それは自分でもわかっている。
でも僕は、自分のやりたいことを、自分の人生を、確率だけで選びたくはなかった。
本田圭佑選手の専属分析官がとった意外な選択。キャリアの「遅いスタート」を挽回する方法 | 何かをやるのに遅いということは決してない。 | ダイヤモンド・オンライン
夢はやりたいこと/好きなことの一つの具現化にすぎないと思っている。根本のやりたいこと/好きがあるから、夢は変わる、そして変えられるのだ。
この本には凄く勇気を貰えた。
何でこの本の話題出したかというとAqoursの最新曲「Jump up HIGH!!」を聞いたときにこの本のことが思い出されたからだ。
Aqours Jumpin' up Project テーマソング「Jump up HIGH!!」試聴動画
(take a chance!)まだ間に合う!
(take a chance!)素直になれ!
私はこの曲を初めて聞いたとき、この歌詞に凄く驚いた。
1年前の私の気持ちだって…
何に間に合うのか?Aqoursを好きになること?それともあなたの夢はまだ間に合う?
まあそれはどっちでもいい(というよりどっちともとれると思う)。
私は福岡公演で感じた「動いてないと探せない」というAqoursからのメッセージを受け取った。
そのメッセージはあまりに強く大きくてその後何かをせずには居られなくなって、この本を読んだ。その時の気持ちを思い出した。
さて、それから1年。私はAqoursに貰ったエネルギーで転職した。
その話は他の所で書いてるからいいとして、1年間Aqoursを忘れることなんてなかった。
「好きでよかった」と思えるし、きっと私はある意味で「間に合った」んだと思う。
いつか 思い出に変わるの?変えてない!
現在進行形だよ i-n-gだよ 懐かしいなんて後にしようよ Aqours「i-n-g,I TRY!!」より
でも、Aqoursも人生もまだ全くもって思い出ではない。
特に、転職なんて職が変わっただけで区切りでしかない。
今は研修がめちゃくちゃキツくてひいこら言っている。こんなので"終えた"なんてとてもじゃないけれど言えない。
成し遂げられようと成し遂げられなかろうと、私たちは現在進行形の今を生きているのだから。
おわりに
こんばんは、あしかです。
7月8日はAqours 3rd LIVE TOUR福岡Day2公演の日でした。(ファンの定義にもよりますけれども)私がAqoursのファンになった日でした。
3rd埼玉と福岡の間のAqours関連の商品(BD7巻とAqours CLUB)は両方買ってるんですけどね…
Aqoursに対する見方が完全に変わった日でした。
福岡公演Day2の「キセキヒカル」。あの曲を聞いたときにAqoursからのメッセージが伝わって、こんなにライブって凄いものなんだと感じられました。
Aqours(ラブライブ!)にハマった人のきっかけを聞いていると、何かのライブでハマるという話を聞くことが多い気がします。
自分もまさにそのタイプで、この福岡公演をきっかけにこの1年の間に20公演程度ライブ(orファンミ)の現地に行き、多分どちらかというとすっかり行き慣れている側の人間になってしまいました...。
ライブの順位付けなんて無礼なのかもしれませんが、私の中で3rd福岡を越えるライブはありません。
3rd福岡公演のアウトプットを残したかったというのはブログを初めるきっかけの一つでした。
衝撃があまりに強くて、その気持ちを忘れたくなくて残したくて。どうしても何か記しておきたくて書きました。
比較的遅めのファン(多分)である私と同じように、これからファンになる人もいると思います。
そういう人に「まだ間に合う」と伝えたいなと思います。
*1:この評価の根底には終わりが上手くまとまっているかどうかが私の中で大きな評価軸になっていることがあります。当時はうまくまとまっていると評価はできなかった。