"好き"の力信じて

"好き"の話をします。ラブライブ!、石原夏織、アニメなど。

WATER BLUE NEW WORLD〜叶わなくても、"変わる"〜



はい、こんばんはあしかです。
今回はAqoursで好きな曲No.1である「WATER BLUE NEW WORLD」の話です。

まず、関係あるようでない話ですが、この曲をタイトルにした以下の記事が(自分としては)反響が大きかったのは結構嬉しかったです。

ashikaouou.hatenadiary.jp

上の記事はラブライブ!サンシャイン!!がきっかけで転職しました!みたいな話なので、ここからの話を読むにあたっては特に読む必要はないのですが(いや、読んで欲しい気持ちは勿論あるけれど、「お前の自分語りなんか興味ねえ!」という方は別に読まなくてもこの記事を読むことはできるという意味です。まず長いし…)、この記事で1つだけ誤解を生むかな~と思ったところがありまして、それが記事のタイトルなんですよね。

「動けば変わる」というのは最初に挙げた「WATER BLUE NEW WORLD」の歌詞の一部なのですが、この部分における"変わる"のニュアンスと先の記事のそれがちょっと違うかなとずっと思っていて、折角だし「WATER BLUE NEW WORLD」の話をさせていただこうと思います。

"変わる"の3文字

「WATER BLUE NEW WORLD」という曲には評価すべきポイントがいくつかあるのですが*1、今回取り上げるのは歌詞。しかもたったの二行です。

「諦めない!」言うだけでは叶わない
「動け!」動けば変わるんだと知ったよ
「WATER BLUE NEW WORLD」より


たったの二行の言葉ですが、この二行にあまりに色々な意味が詰まっています。
どんな意味を持つのかを考えるにあたってこの二行を以下の図の通り分解してみます。 f:id:ashika_ouou:20190702235032j:plain

図の通りですが、この歌詞を分解すると一行目と二行目は対となっています。

①「諦めない!」⇔「動け!」
②言う(だけ)⇔動く
③叶わない⇔変わる

の3つの対となることを「知ったよ」と読むことができます。

この二行の歌詞の中でとても"Aqoursらしく重要な言葉"があって、それが"変わる"(③の部分)です。

"叶わない"という言葉の対比であるならば、"叶わない"の否定である"叶う"の方が自然なんじゃないかとさえ思います。
更にテクニカルな話をすれば、この"変わる"という3文字は、同じ3文字である"叶う"に出来るはずなんです。
つまり、歌詞のリズムの都合でしょうがなく…とかそういう理由ではないのでしょう。

敢えて"変わる"なんです。
じゃあ何故"変わる"なのか?
凄く単純な話で、あくまで"叶うかどうか"を保証していないから。
でも、間違いなく"変わる"ということは肯定しているからです。

実際に(映画にもあったように)「一番叶えたかった願い」はアニメにおいて叶っていません。
だから、彼女たちがもし"叶う"と言ってもその言葉には説得力がありません
そもそも、彼女たちがこの「WATER BLUE NEW WORLD」で伝えたいことってきっと夢が叶うか/叶わないかじゃない
動くことで"叶う人"もいるかもしれないけれど、どうしても"叶わない"人だってたくさんいる
彼女たちがそうであったように、叶わなくても"変わった"と思える。
動いた過程は必ず何かの糧になって、"叶う人"も"叶わない人"も皆動く前とは変わっている
"変わるかどうか"は自分の認識によって決まるもので、変わったと自分を納得させるために行動するのだということ。
この"変わる"にはそんな意味が内包されているのかなと思います。

おわりに

Q.なんで"変わる"を使っているの?

A."叶う"は事実に基づくけど、"変わる"は認識に基づくから。(この言い方だと"叶うかどうか"はまるで全て事実に基づくようで一般化しすぎな感じは否めないですが、この文脈上の"叶う"においては廃校を阻止できるか否かなので事実に基づくものと解しています)

"叶う"じゃなくて敢えて"変わる"を使うというのは「ラブライブ!サンシャイン!!」のコンセプトである(と勝手に思っている)「一般性」*2を損なわない言葉で絶妙なバランスを保っています。だから、その点が言葉選びが巧みだなあと感じています。そしてすごく好きな点です。

という訳で、くどいですが、先の記事のどこが誤解かというと、『「動けば変わる」から動いて転職しました!』はこの曲の本旨ではなく、『結果にかかわらず動いた過程によって「動けば変わる」のだ』ということ、つまり変わることが必ずしも結果を出したことを表さないはずなんですよね。
これを使いたかったからあのタイトルにしたはずのに、なぜか本文では使われてないんですよね...。

私がこの1年生きる上で、最も勇気を与えられた言葉でした。
「イマ」を生きるための大切な言葉。
この先もずっと忘れられない言葉になるのでしょう。
いや、「イマ」の気持ちを刻むために記すのです。
「ミライ」へ向かうために。

*1:「夢は夢のようで~」の部分の歌詞や「夢が見たい思いや~」などの歌詞だけでなく、目まぐるしく変わる曲調が「駆け抜けてきた素晴らしい日々」を歌っていることなど...

*2:「WONDERFUL STORIES」で千歌の物語の締めくくりを「みんな持ってた」と歌うように