"好き"の力信じて

"好き"の話をします。ラブライブ!、石原夏織、アニメなど。

2期7話「残された時間」私の羽根が青くなる瞬間

皆さんはアニメを見るにあたって、何を重視しますか?

 

絵?キャラクター?演技?物語の整合性?
確かにどれも著しく欠けているとつまらないですよね。

 

で、お前はラブライブ!サンシャイン!!のどこが好きなのって?


この中のどれでもありません。

形容しがたいですが、あえて言葉にするならば、それは「メッセージ」なのかなと。

 

私はこの作品に出会って設定が無茶苦茶ても、
「メッセージ」がその設定の無茶苦茶さを超越して物語に人の心を動かすような力を持たせることを思い知りました。

 

以前から3rd LIVE 埼玉で初めて参戦して、福岡でファンになったという話をよくしています。

 

……そもそもこれも変ですよね。

ライブにほとんど行ったことがなかったオタクが大して好きでもないアニメのライブに行かなくない?
どう考えてもお金と時間の無駄じゃない?

 

やはり、作品も多少は面白いと思っていないと踏み出せなかった訳で、3rd LIVEにそもそも少しでも「行きたいな」と思わせてくれたお話があります。

 

それがラブライブ!サンシャイン!!」2期7話「残された時間」でした。

 

以前「想いは”今”書かないと逓減していつかは忘れていってしまう」と書きましたが、この話をリアルタイムで見た時の衝撃は未だにずっと忘れられません。

 

2年前、この話を見た時、痛みからの救済をたったの24分で感じました。

 

ここからは、出来る限り2年前にタイムスリップした気持ちで書きたいと思います。

 

前回までのあしかさん!


μ'sの2期直前にあった1期の一挙放送で3話「ファーストライブ」における「START:DASH!!」の誰もいないステージを見て心を打たれました。

 

そこからμ'sが好きで、μ'sが大きなことをアニメでもリアルでも叶えていくのを見て一緒に喜んだり、ライブには行けなかったけど、映画もちゃんとリアルタイムで観に行きました。

 

しかし、行ってもいないFinalを迎えて以降、そのμ'sの代わりは見つからないまま始まったのが「ラブライブ!サンシャイン!!」の1期。

 

1期はよくわからないまま終わり、Aqoursはあんまりだな〜と思っちゃいました。

 

2期はラブライブ!だしもしかしたら面白くなるかもしれないし、という義務感でそれと同時に冷めた気持ちで見ていました。

 

え、あの名回「MIRACLE WAVE」が始まるところだけで泣いてしまう2期6話「Aqours WAVE」の当時の感想ですか?

申し訳ないけど、まっったく覚えていません

 

多分嫌いとかそれ以前に無関心だったんでしょう。

無関心というのはとても残酷で、この話以前のストーリーに対してどう思ったかをほとんど覚えていないのです。

 

本編

2期7話は大きく「痛み」(Aパート)と「救い」(Bパート)に分けられると思っています。

 

痛み

という訳で、全く真摯に見ていなかった私は2期7話の序盤ですら、最初は設定の粗を突き、嘲笑っていました。 

f:id:ashika_ouou:20191031232046p:plain

自分の当時の感想のスクリーンショットです(生々しいです)


こんなそんな冷めた姿勢でツッコミを続けながら、ただただ、ラブライブ!サンシャイン!!を"消費"していました。

 


そう、あのシーンまでは。

「98!」

 「時計は?」

時計は期限の時間まで僅かであることを示している。

 f:id:ashika_ouou:20191031233450p:image

 

「大丈夫。大丈夫。絶対に届く!届く!

・・・大丈夫!

・・・届く!

・・・届く!」

f:id:ashika_ouou:20191031233507p:image

そうだよね、今こそたったの1分の間にあと二人が入学を希望して廃校を救って"奇跡"が起こる瞬間なのだろう。

 f:id:ashika_ouou:20191031233513p:image

f:id:ashika_ouou:20191031233529p:image

「募集終了・・・?」

「時間切れですわ」

 

 

募集終了...?は...?

 

いやいや、嘘でしょう?

 

え、これって、"みんなで叶える物語"だよね?

だからμ'sが叶えた物語をAqoursは同じように叶えていく。

 

2期に入ってからなんかよく分からんけど、千歌が奇跡がどうとかしつこいくらい言ってたじゃん。

 

奇跡を起こすんじゃないの?起きるんでしょう?

 

あんなに1期だってμ'sとシンクロしてたしμ'sがμ'sがって言ってたじゃん。加入回も水着回もすげえシンクロしてたじゃん。何もかも「同じ」だったじゃん。

 

だから学校を廃校から救って、ラブライブ!に優勝して、

それはμ'sと同じ「奇跡」のはず.......

 

いや。あれ、、、待てよ。

 

誰がμ'sとAqoursの奇跡が、物語が同じだって言ったんだ?


μ'sが好きだった。だからμ'sが叶えていく姿と全く同じものをAqoursに求め、それが満たされないと文句を言い、けなし、嘲笑っていたのは誰だったのだ?"μ'sの奇跡"をAqoursが全く同じように辿って叶えていくんだってそれを確信して見ていたのは誰だったんだ?

 

私でした.........

まんまと騙されていたことに気付いてしまいました。

 

「じゃあなんで学校がなくなっちゃうの?学校を守れないの?そんなの・・・そんなの・・・」

 

そんなのってあんまりだ。女子高生が抱えるにはあまりに重すぎる挫折。

頑張れば報われて「奇跡」を起こして廃校を救える、そうあるべきなんだ。
というか、「ラブライブ!」の物語はそうあるはずだっていつの間にか信じきっていた。
こんなのあまりにも救いはないじゃないか。

"みんなで叶える物語"ってなんなんだ。

 

募集終了の文字を見た時、色々なことが頭の中で巡ってきました。

今までつまらなそうに惰性で携帯を見ながら見ていたのに、携帯を投げ捨ててただ放心していました。

 

μ'sのような物語を1期では嫌というほど意識させられていて、Aqoursのことを全然知らない私には少なくとも物凄く衝撃が強かった(自分以外の周りの友人でも一定数同じような評価の人はいました)。

 

救い

廃校が決まっていくことですらただ衝撃的なのに、それだけではありませんでした。

そして最後の屋上で集まるシーン。

結局大きな失敗体験は時間が解決するのでしょう。

「やっぱりみんなここに来たね」

「結局、みんな同じ気持ちってことでしょう?」

失敗があってもラブライブ!には出続ける、輝きを見つけるためにスクールアイドルを始めたのだから。

皆の気持ちは一致していたはずでした。

 

しかし、千歌は一致したみんなの気持ちを否定しました。

「(輝きは)見つからない。
だってこれで優勝しても、学校はなくなっちゃうんだよ。
奇跡を起こして、学校を救ってだから輝けたんだ。輝きを見つけられたんだ。
学校が救えなかったのに輝きが見つけられるなんて思えない。」

 

奇跡を起こして、学校を救ってだから輝けたんだ。

この発言の根本にあるのは"μ'sの奇跡"なのでしょう。

千歌にとって初めて「輝いてる状態」を認識したのはμ'sで、そのμ'sのように輝くためには一番分かりやすく比較できるのは結果です。

千歌が述べている廃校を阻止出来たか/否かというのはとても目に見えやすい結果です。その点で見ればμ'sより劣っている、つまり輝けていないことになります。

 

1期12話で千歌は確かに「μ'sをなぞること」≠「輝くこと」と述べていますが、千歌はμ'sの奇跡を信じた第一人者で、「廃校の危機」というμ'sと同じ状況にあるが故、比較することを必要以上に意識させられてしまって、その目的がズレていってしまったのでしょう。

人間がこのような「過ち」や「誤認」を犯してしまうことは何も不思議なことではなくて、むしろそこに高海千歌の人間らしさを感じられると私は思っています(当然ですが放送当時はここまでは考えてませんでしたがね)。Aqoursについてファンが褒める時「不屈の精神」という言葉がよく使われますが、そもそも一度は曲がらないと「不屈」なんて単語は出てこないですしね。

 

「私ね、今はラブライブ!なんてどうでもよくなってる。私たちの輝きなんてどうでもいい。学校を救いたい。みんなと一緒に頑張ってきたここを…」

「じゃあ救ってよ!」

それは浦の星女学院の生徒の声でした。

 

「だったら救って!ラブライブに出て、優勝して!」

「出来るならそうしたい、みんなともっともっとあがいて、そして…」

「そして?」

「学校を存続させられたら…」

「それだけが学校を救うってこと?」

私たち、みんなに聞いたよ。千歌達にどうしてほしいか、どうなったら嬉しいか。

みんな一緒だった。ラブライブ!で優勝してほしい。千歌たちのためだけじゃない。私たちのために。学校のために。この学校の名前を残してきて欲しい。

浦の星女学院スクールアイドルAqours。その名前をラブライブ!の歴史に、あの舞台に永遠に残してほしい

f:id:ashika_ouou:20191031233710p:image

 

ラブライブ!サンシャイン!!で私が一番好きなシーンです。

「救う」ための手段というのは何も廃校という学校の実物を存続させることだけではありません。

そうじゃなくても浦の星女学院の生徒のみんなが「救われた」と思えれるものであれば手段なんてなんでもいいのです。

その一つの手段が「ラブライブ!で優勝して名を刻むこと、永遠に語り継がれる存在になること」でした。

それだって立派な「救う」という目的にかなった手段です。

  

学校は消えてしまうはずなのに、浦の星女学院の生徒達はとってもポジティブで、千歌達の努力も全て分かっているから、新しい案でAqoursを救ったのだと思います。

そう思っていくうちに、私は涙が止まらなくなりました。初めてラブライブ!サンシャイン!!で本気で泣いてしまいました

 

そして今までの自分の向き合い方に少し後悔し、

「μ'sとAqoursって全っ然違うんだな…。Aqoursもすごく良いじゃないか」と思えました。

その時僕の手に落ちてきたのは白い羽根ではなく、青い羽根でした。

f:id:ashika_ouou:20191031232310j:plain

 

おわりに

夢は全ては叶わない。

ラブライブ!サンシャイン!!はそんな痛みを教えてくれた。

 

だけど叶える手段は一つではない。

手段どころか夢ですら変わってもいいんだ。

形を変えて夢は残り続ける。

ラブライブ!サンシャイン!!はそんな救いも教えてくれた。

 

何度だって追いかけようよ 負けないで

失敗なんて誰でもあるよ 夢は消えない 夢は消えない

勇気はどこに?君の胸に!

 

私がラブライブ!サンシャイン!!で一番強く印象に残って、今も残り続けているメッセージでした。

 

そんな強いメッセージを受け取った時、前半のむちゃくちゃ粗い設定は全てどうでもよくなってしまいました

 

これ以降、心を入れ替えて毎回携帯を投げ捨てて集中して見ていればよかったんだけど、結局真面目に見たり見なかったりで、そんな自分をまた夢中にさせたのは12話、13話でした。

 

でもこのお話が無ければきっと12話の「WATER BLUE NEW WORLD」の『「諦めない!」言うだけでは叶わない「動け!」動けば変わるんだと知ったよ』、『夢は夢のように過ごすだけじゃなくて痛み抱えながら求めるものさ』という歌詞がすぐ刺さることも、13話の優勝という栄光を手にしたのにも関わらず、輝くことに悩む千歌の葛藤も共感できなかったのでしょう。

 

現実はとても苦しい。そしてその苦しさを生む要因はとても理不尽。

だけど、見方を変えれば、必ずどこかに救いがある。実は現実は意外と優しい...のかも。

そんなラブライブ!サンシャイン!!の良さが詰まったお話だったなと思っています。

優木せつ菜と“好き”の話~優木せつ菜は理想の自分なのか?~

※スクスタ1章と優木せつ菜のキズナエピソード4話までのキャプチャーを使いますので、ネタバレを嫌う方はご注意ください。

因みにですが虹ヶ咲のキャラクターのキズナエピソードはμ'sやAqoursキズナエピソードより簡単に解放されるようになっていますので是非!(虹ヶ咲はキズナレベル7で最新の5話まで解放されます)

 

スクスタが9月26日にリリースされましたね。

当初は「ストーリーがダメでも、MVが優秀ならMV集として使えるし、MVがダメでもストーリーが優秀なら"ラブライブ!"の物語として楽しめるな~」くらいに思っていたら、どちらも優秀で完全にやられてしまいましたね。参りました。

 

今まで分からなかった虹ヶ咲のキャラクターの設定も少しずつ明かされました。

明かされた設定を基に推し(暫定)である優木せつ菜がいかに魅力的かという話をしたいと思います。

 

 

 

1.優木せつ菜とは

まずは、優木せつ菜の紹介文です。

 

虹ヶ咲学園2年生。他校からも注目を集める期待のスクールアイドル。
元気いっぱいの笑顔とパフォーマンスが持ち味。スクールアイドル活動で忙しいためか、「校内でその姿を見た人はいない」という都市伝説のような噂もある。

 

<意気込みコメント>
みんな、元気ーっ? 優木せつ菜ですっ!
私ね、じつは大きな野望があるんですっ! ちょっと恥ずかしいけど勇気を出して言いますね。
それは”大好き”を世界中に溢れさせちゃうスクールアイドルになることなんですっ!
(以下略)

https://app.famitsu.com/20170606_1061467/

参考:スクスタ公式の紹介ページ*1

 

初めてこの紹介文を見た感想は「どういうこと?」でした。

 

いや、あまりにツッコミどころが多すぎて。
校内で姿を確認できない?
野望は"大好き"を溢れさせること???

 

え?なんで??


当初は孤高のトップスクールアイドルで他のキャラクターとは距離を置いているようなイメージなのかなと思っていたら、みんなとの距離感も別に普通。
あと、やけにはきはき喋るのがちょっとうさんくさい。


そういうところも含めこの情報だけでは、設定に??しか浮かびませんでした。

 

虹ヶ咲のキャラクターには"○○系スクールアイドル"というそれぞれのキャラの個性を一言で示す言葉がありますが、せつ菜は当初"??系スクールアイドル"でした*2

 

リリースされるまでは、しずく(見た目も雰囲気も好み)か歩夢(見た目が好みでおしとやかな幼馴染感があるのが凄く良い)の2人が良いなあとしか考えていなくて、せつ菜の見た目は好みだけどちょっとよく分からんな、と思っていました。

 

しかし、リリースされてせつ菜に気持ちが傾き始めました。

 

2.スクスタで明かされたこと


2-1.生徒会長「中川菜々」であったこと

<第1章10話>

生徒会長に同好会のメンバーを10人集めなければ解散と言われ、何とか8人を集めた「あなた」。

9人目として元々のメンバーであった優木せつ菜を探すものの、「校内で姿を見たことがない」という噂に違わず、せつ菜を見つけることはできない。

f:id:ashika_ouou:20191012171741p:image

f:id:ashika_ouou:20191012171822p:image

 

どうやって優木せつ菜を見つけるかで困惑していた同好会メンバー。そこに現れたのは生徒会長でした。

f:id:ashika_ouou:20191012171844p:image

f:id:ashika_ouou:20191012171907p:image

f:id:ashika_ouou:20191012171923p:image

f:id:ashika_ouou:20191012171951p:imagef:id:ashika_ouou:20191012172002p:image

 

スクールアイドル・優木せつ菜は虹ヶ咲学園の生徒会長・中川菜々でした。

 <第1章2話>

f:id:ashika_ouou:20191013004630p:image

 

このこと自体は特に物凄く驚きという訳ではありません。

(メタ的な見方ですが)「ラブライブ!」シリーズはキャラクターが比較的に限定的な"閉じられた物語"であること、1章の前半でかすみのせつ菜に対する印象と菜々に対する印象はかなり近いことからこの展開は「絶対そうだろ!」とまでは言わなくても、その可能性は大いにあることはシリーズのファンならば想像はできます。

 

ここで重要なことは優木せつ菜という虹ヶ咲学園の生徒は存在しなかったということです。

 

つまり、"「校内でその姿を見た人はいない」という都市伝説がある"という一見謎な設定を回収したのです。この設定ってそういう回収の仕方をするのか…ということの方がむしろ驚きでした。

 

2-2."優木せつ菜"の生まれた理由

なるほど、つまり虹ヶ咲学園での学園生活では"中川菜々"として過ごし、スクールアイドルとしては"優木せつ菜"として振舞う。

 

"優木せつ菜"は"中川菜々"の別の人格だった訳です。

 

しかし、今までの「ラブライブ!」シリーズのスクールアイドル、それどころか虹ヶ咲の生徒ですら、偽名を使ってスクールアイドル活動をしていた人物はいません

 

わざわざ偽名を使ってスクールアイドルをやっているということは"中川菜々"ではスクールアイドルが出来ないなんらかの制約が存在すると考えるのが筋です。

 

確かに"中川菜々"にはスクールアイドルの活動できない理由があります。

 

キズナエピソード3話>

f:id:ashika_ouou:20191013005425p:image

キズナエピソード4話>

f:id:ashika_ouou:20191013005244p:imagef:id:ashika_ouou:20191013005409p:image
f:id:ashika_ouou:20191013005346p:image

 

中川菜々は家庭環境によりスクールアイドルを禁止されているのです。それどころか、アニメや漫画も禁止されています。

 

中川菜々では大好きなスクールアイドルになることができない。 

だから、彼女にとって"優木せつ菜"という存在が必要なのです。

 

 

ちなみに優木せつ菜という名前は大好きなライトノベルのユウキくんとセツナちゃんから取っているとのこと。

 

 

3.優木せつ菜と"好き"に関する4つの魅力

ここまでは前置きでここからが本題です。

 

まず、名前も好きなものから取ったというように、せつ菜は"好き"に真摯です。
そしてそうありたいのだと思います。

 

真摯であるからこそできるもあるし、真摯であるがゆえに躓いてしまうこともあります。そのどちらもせつ菜の魅力だと私は思っています。

 

3-1."好き"を溢れさせる

 

スクールアイドルやアニメを禁止されているということは、中川菜々は自由に"好き"を"好き"と言える環境になかったということが推測できます。

 

アニメやゲームが好きな中川菜々という存在は親によって否定され、"好き"と言いたくても"好き"と言うことはできず、大好きなスクールアイドルになるということも叶わない。

  

中川菜々では出来なかったことを満たす存在として"優木せつ菜"は生まれた

最初<意気込み>の部分に(以下略)と書きましたが、ここには続きがあります。

 

<意気込み>の続き

 今の世の中、好きなことを素直に好きって言うの、ちょっと難しいじゃないですか。恥ずかしかったり、誰かにバカにされちゃったり、色んな事情があったり。

 でもね、スクールアイドルの世界ってそんなことなくて、やってる人も、応援してる人も、みんなスクールアイドルが大好きで、素直に大好きって言えちゃう。

 キラキラしてて、楽しくて、とっても優しい世界。

 だって、ここには大好きが溢れてるから。

 そんな、誰もが大好きを言えちゃう世界を、私はもっともっと広げていきたいんですっ!

 果てしない夢かもしれないけど、みんなとならいつか実現できると信じてます。

 私と一緒に大好きがいっぱいの世界を作っちゃいましょう! よろしくお願いします!

 

「それは”大好き”を世界中に溢れさせちゃうスクールアイドルになることなんですっ!」

 

当初意味の分からなかった優木せつ菜の野望は、"好き"を"好き"と言えない環境にある人を応援するためにあるのではないかと思うのです。

 

中川菜々は"好き"を"好き"と言えなかった。

せつ菜は、同じ境遇の人たちの苦しさを理解しているからこそ、"大好きを世界中に溢れさせたい"と願い、自分自身が"好き"を伝えているのだと思います。

 

3-2."好き"を守る

彼女がやっていることは何も"好き"を伝えるための活動だけではありません。

自分の"好き"を守るための活動も怠らないのが優木せつ菜です。

 

キズナエピソード2話>

f:id:ashika_ouou:20191017001721p:image

f:id:ashika_ouou:20191017002502p:plainf:id:ashika_ouou:20191017002520p:plainf:id:ashika_ouou:20191017002537p:plain

f:id:ashika_ouou:20191017002555p:plain

f:id:ashika_ouou:20191017002613p:plainf:id:ashika_ouou:20191017002631p:plain

 

せつ菜は身を隠してスクールアイドルをやっているから、他のキャラクターに比べて"好き"を脅かされる可能性が高い。

だから、その"好き"を守るために生徒会長を買って出ることで、自分の自由を確保しているというところがあまりに眩しいなと感じます。

 

キズナエピソード1話>

f:id:ashika_ouou:20191020233403p:image

f:id:ashika_ouou:20191013005336p:imagef:id:ashika_ouou:20191020233651p:imagef:id:ashika_ouou:20191020233704p:image

 

中川菜々だろうが、優木せつ菜だろうが中身は違えど、やっている行動は全て"好き"に真摯であるためです。  

 

また、スクールアイドル活動をするための環境作りをすることは、むしろ中川菜々にしか出来ないことです。

裏では環境作りまでに真剣。それが“本気系スクールアイドル"と言われる所以なのかなと思います。

 

3-3."好き"との葛藤


優木せつ菜のソロ曲「CHASE!」を、スクスタを踏まえてみると大分印象が変わって見えます。

「CHASE!」はまるで"中川菜々"から"優木せつ菜"が生まれる瞬間を歌ったような曲だと思っています。

 

1番のA/Bメロが葛藤する菜々の過去と決意、
サビは優木せつ菜となった今の気持ちなのかなと思います*3

 

<A/Bメロ>

大事な気持ち まるで裏切るように過ごした
昨日にはもうバイバイして


繰り返した リスクと後悔
言い訳ばかり探して決めつけた
振り回すのはやめて
足を踏み出す 最初は怖いかも

「CHASE!」

 

この歌詞からは「"好き"を裏切り、リスクばかりを考えて、言い訳ばかり探して諦めていた」"中川菜々"が浮かんできます。

 

中川菜々、いや、優木せつ菜だってきっと"怖い"はずなんです。

その直後にはこう歌われています。

 

でも「進みたい」 その心があれば!

「CHASE!」

 

中川菜々の葛藤とでも「進みたい」という決意。

その決意の証を具現化したものが"優木せつ菜"なのだろうと。

 

そして、サビでは"優木せつ菜"としての思いを歌っています。

 

<サビ>

走り出した!思いは強くするよ
悩んだら 君の手を握ろう
なりたい自分を我慢しないでいいよ
夢はいつか ほら輝き出すんだ

「CHASE!」

 

「なりたい自分を我慢しないでいいよ」

この言葉は彼女の野望から言えば、"世界中"のみんなに言っているものだと解することができます。もちろん、そう読むこともできます。

 

しかし、"世界中"の中には中川菜々も含まれているはずなのです。

「あの時の決断できたことが良かった。なりたい自分を我慢しなくて良かった。ありがとう。」

この歌詞はまるで"もう一人の自分"である"優木せつ菜"が過去の"中川菜々"にも語りかけていているかのようだと私には思えるのです。

 

3-4."好き"に不器用

せつ菜と言えば、"好き"なことについて話していると暴走してしまうという性質があります。

 

キズナエピソード3話>

「あなた」とせつ菜が帰りの支度をしているすると、せつ菜は鞄の中をぶちまけてしまう。

f:id:ashika_ouou:20191020141412p:imagef:id:ashika_ouou:20191013005404p:image
f:id:ashika_ouou:20191020141407p:imagef:id:ashika_ouou:20191020141426p:image

ライトノベルを読んでいることに自信なさげだったせつ菜ですが、「あなた」がこのライトノベルを知っていると言うと優木せつ菜は一気にテンションが上がり、暴走し始めます。

f:id:ashika_ouou:20191020141401p:imagef:id:ashika_ouou:20191017002804p:plainf:id:ashika_ouou:20191017002825p:plainf:id:ashika_ouou:20191020141420p:image
f:id:ashika_ouou:20191013005229p:imagef:id:ashika_ouou:20191017002230p:plainf:id:ashika_ouou:20191017002254p:plainf:id:ashika_ouou:20191017002316p:plainf:id:ashika_ouou:20191017002337p:plainf:id:ashika_ouou:20191017002359p:plain

 

というかそもそもなんでせつ菜は"好き"について話すぎて(暴走)してしまうのでしょう?

"好き"に真摯だから?まあそれもあると思います。でもそれ以上に大きな原因があると思っていて。

「私、あまり人とそういう話はしたことがない」とあるように、好きなことについて話す機会がなかったからだと思うんですよね。

だから暴走してしまうというのは好きを好きと言える経験に乏しく、"好き"に不器用なんだなと思うのです。

 

キズナエピソード4話>
f:id:ashika_ouou:20191017123539p:image

f:id:ashika_ouou:20191017123552p:image
f:id:ashika_ouou:20191017123645p:image

「あなた」が飲み物を持ってくると漫画に没頭しているせつ菜。
f:id:ashika_ouou:20191017123650p:imagef:id:ashika_ouou:20191017123803p:image
f:id:ashika_ouou:20191017123656p:image

 

「"大好き"を世界中に溢れさせる」なんて野望を持っているのに、自分自身は好きなものを1人で楽しんできたため、伝え方や向き合い方が決してかっこよくはない。

それどころか「あなた」からは"子供っぽい"と評されている。

 

でも、その絶妙なアンバランスさが優木せつ菜というキャラクターに人間らしさをもたらし、とっっっても可愛いなと思っているところなんです。

  

4.今後の展望(妄想)

ここからは蛇足ですが、私が今後"見たい"せつ菜の話をします。

この部分は完全にただの妄想なので聞き流して貰えればと思っています・・・笑

 

  • せつ菜がスクールアイドルになった理由

虹ヶ咲のキャラクターで元から同好会にいたのは転入組3人+せつ菜、かすみの5人。せつ菜(とかすみ)に関しては、転入してきた訳でもないし、「あなた」に言われずとも最初からスクールアイドル同好会にいた訳です。

 

「私高校生になったら絶対スクールアイドルになりたいって思っていて」

キズナエピソード4話

 

こんな思いがあるということは、高校生になるまでにスクールアイドルに憧れたり、救われたりするエピソードがあるのではないかと思っています。

 

  • 原体験

つまり幼少期のエピソードです。
ラブライブ!」シリーズといえば原体験の描写が出てきますが、現状せつ菜にそのような描写はありません。

 

f:id:ashika_ouou:20191020023530j:plain

AqoursHAPPY PARTY TRAIN」MVより

 

普段は"好き"を隠して生活しているということは、
ただ無垢に"好き"だと言っていただけなのに
その気持ちを家庭環境で曲げられてしまったという中川菜々の原体験があるはず。

 

そのエピソード自体にも興味があるし、"好き"を言う自由を奪われた幼少期の中川菜々は何を思ったのか。気になって仕方がない。

 

5.おわりに~優木せつ菜は理想の自分なのか?~

ここまで書いた内容(特に後半)のほとんどは憶測です。
語るにはあまりにも物語が不足している。
物語の展開によって見解は変わりうると思いますし、これからもっとせつ菜の魅力やせつ菜の過去の話は掘り下げられるのでしょう。

 

しかし、決して情報が十分とは言えない今でも、少なくとも優木せつ菜が"好き"を世界中に溢れさせたいという気持ち、そしてその魅力は伝わってきます。

 

今回はキズナエピソードを中心に紹介させていただきましたが、私が一番最初に優木せつ菜に強く惹かれたのは第7章6話のこのセリフでした。

 

<第7章6話>

f:id:ashika_ouou:20191020152831p:image

 

キズナエピソード読まずにこのセリフを読んだ時、

「中川菜々は家庭では"好き"を自由に言えないのだろうな…」

とせつ菜の苦労を察しはじめ、その息苦しさから優木せつ菜は生まれたんじゃないかと思い始めました。そこから一気に惹かれて興味を持つようになっていきました。

  

"好き"への熱い真っ直ぐな思いとその行動力はとても立派でカッコいいと思えます。
でも、"好き"への思いが強すぎる故に葛藤があったり不器用だったり、そんな人間らしさを感じる部分はとてもかわいいなと思えて。

その両面共とても好きでとても共感してしまいました。

私もブログどころかオタクとの話もいつも長いし…

 

せつ菜を見て「どうして?」って考えて、こうやって色んな事に気づく度に、
心から応援したくなって、好きになって、"特別"になりました

 

(暫定)と書きましたが、余程のことがない限り私は多分せつ菜推しのままなのでしょう。

 

さて、タイトルの優木せつ菜が理想の自分か?という問いですが、そうだと思います。

ただし、普段は見せない不器用さや幼さなどを含めて、"大好き"を溢れさせている"優木せつ菜"こそが"中川菜々"のなりたい自分なんだと。

 

理想とは誰かが望む「完璧な存在」という理想じゃなくて"中川菜々"の理想なのだろうと思います。

 

道は不確かだけど 好きだからできる
私らしく輝いていける気がして

「MELODY」

 

せつ菜を見ているとやっぱり"好き"って強いなと思います。

せつ菜の"好き"は、「結果が出るから好き」という見返りを求めるものじゃなくて、「ただ純粋に楽しくてしょうがない」というのが伝わってくることが凄く良い。

 

もし、気になった方がいれば菜々とせつ菜の声を比べてみて欲しい。

菜々がいかに感情を押し殺しているか、そしてせつ菜がいかに楽しそうに喋っているかを感じて欲しい。

せつ菜がうさんくさいと思ってしまうくらいにあんなにはきはきと喋っているのは楽しくてしょうがないからなんだなぁって。

まさに「輝くって、楽しむこと」なんでしょう。

 

この記事で少しでもせつ菜の魅力が伝わってくれたら嬉しいです。

 

あの空までほら 届け!

優木せつ菜「MELODY」

 

f:id:ashika_ouou:20191019205131p:image

*1:自己紹介に「アニメやゲームが好き」とあり、若干違います

*2:途中から"本気系スクールアイドル"に

*3:ただし、2番はまたちょっと違います

1周年:ブログを書く理由と変わったこと

昨日ブログを開設してから1周年になりました。

 

書いた記事は31記事。(これが32記事目)

そのうちラブライブ!(広義)に関するものが23記事くらい。

まあたくさん書いたこと。

記録のため書いておくと、アクセスは6690らしいです。

 

そもそも、何でブログを書こうと思ったのかと言えば、

自分の好きなものを形に残したいから。

もう少し具体的に言えばAqours 3rd 福岡の気持ちを残したかったからでした。

Aqours 3rd 福岡の次の週に昔からブログをやってる友人にアウトプットの重要さを説かれ、よし書くぞ!と思うもなかなか気が進まない。

というか、テキストファイルには書いていたけれど、期限のない成果物ってそう簡単には完成させることはできないもので。

 

そんな時、いつも見ていた魂さんのブログで「ラブライブログアワード2018」なるものをやると知りました。

「よし、それならそこに滑り込んで投稿してやろう、新進気鋭のブロガーになってやるぞ~~(めっちゃおバカだ...)」と思っていました。

 

その「ラブライブログアワード2018」の投稿期限は9月30日。初めてブログを書いたのは昨年の昨日10月11日。あとは…分かり…ますね…笑

 

情けないことに期限があっても間に合いませんでした。

 

ラブライブログアワード」で「初記事部門」の大賞を取った記事は大賞を取るにふさわしい記事で、自分が何かを書いたところで絶対敵わないものだったなと思うので良いのですが。。

 

何を思ったのか初めて書いたのは18年夏クールのアニメの感想

ラブライブの話ですらない。でも一番書きやすかったんだよなあ。

当初ブログのタイトルが芦家の日記だったんですよね。めちゃくちゃダサい。

 

迷走した文章を書き続け早1年。

何が変わったかな?と思ったのですが、

まず、以前よりは読みやすくなったかなと思っています。

以前の文章は本当に読みづらいし、あんまり面白くもないのでそれを読むなら最近のものを読んでくれ~という感じです。

(まあ1記事が長いのは治りませんが…)

 

これには目標があって「来年も同じことを思えるようになりたい」なと。

以前書いた文章より、今の自分の文章の方が面白くありたい("面白い"というのは必ずしも"上手い"でもないし、"エモい"とかでもないです)。

 

あと変わったことといえば、気持ちを前に出せるようになったことかなぁと。

この前、新入社員自己紹介なるものをやらされたんですが(もう数ヶ月経ってますけど…?)、自分が何をしたくてここに入ってきたか?ということを自己紹介に入れました。

もっと言うと恥しい話ですが、「夢」とだけ書いたスライドを1枚仕込みました。

 

僕の夢は社会の効率化です。(ちょっとだけぼかしてますけどね)

特に資源で言えば、最適に配分されていない人的資源や物的資源は世の中にごまんとあります。

今全ての場で最適な配分という課題に対して最適な手法を取っている訳ではないのでしょう。むしろ最適な手法を取っているケースなんて稀で、より良い方法があるのに放置している状態なことが多数なのだと思います。

 

だけど、「すごくいい方法を見つけたよ!」というだけではきっと誰も取り合ってくれません。

勿論手法を見つける人がいないと物事は最適にはならないのですが、それが社会に還元されなければ意味がない。

その手法と社会の"橋渡し"的存在になりたいと思うのです。

 

...という話を自己紹介で語ってしまいました。

 

なんだこれ、面接のアピール文ですか?って感じですね。

前方の役員はめっちゃうなずいてたから許してくれ。

 

そしてそう思ったのは、ラブライブ!サンシャインのお話、そして特にそれを締めくくるこの曲があるからだと思います。

 

本当は持ってたんだよ
僕たちは みんな持ってた
胸に 眠る輝き めざめる前のチカラ

Aqours「WONDERFUL STORIES」

 

f:id:ashika_ouou:20191012001657j:plain

 

燻って悩んでいた前職。

「みんなの持っている眠る輝き」は自分にもあるはずだって、信じて、探して、仕事を選び直した。

 

そして今度は自分が燻っている人の「眠る輝き」を探す番だなって。

 

そう今だって思ってるから(とはいえ、まだまだ行動は伴っていないですがね…)、外に語れるようにもなったのかなって思います。

  

さて、最初のきっかけとその理由を書きましたが、

では、これからはどうして自分はブログを書くのでしょう?

それは今までと変わらず、自分は好きな気持ちを残すためだと思ってます。

 

気持ちを残すとはまるで"瞬間"を"リングに閉じ込める"ような行為です。

 

話題は少し変わりますが、自分のキャリアプランとか3年後どうなっているかを教えてくださいみたいな質問って恥ずかしくないですか?

僕は面接のときも入社してすぐの面談の時も困ったしむちゃくちゃ苦手でした。今も苦手です。

数年後今言ったとおりになってる可能性なんてむちゃくちゃ低いし、どうせ当たらないものを口にしても恥ずかしいだけ…って以前は思ってました。

 

気持ち、目標、夢。すぐ変わります。

 

変わってしまうのに、わざわざ今を問う理由はこの時この瞬間思ったことの価値に重きを置いているんだろうなと最近思います。だから思ったことを言えばよいんだなって。

(苦手なのには変わらないですがね…)

 

ブログもそうで、「今」の好きな気持ちを消さないために書くのだと思ってます。

「今」の好きな気持ちは何かに記しておかないと忘れていくし、気持ちは逓減していつの日か忘れてしまいます。とてももったいない。

 

だからこれからも年の割に青臭かろうが下手な文章だろうが、書き続けます。

書き続けることこそが今の好きな気持ちを残すための手段なのだから。

石原夏織「CARRY MEETING」「TEMPEST MISSION」感想

8月24日、石原夏織サマーイベント「TEMPEST MISSION」に参加してきました。
この8月24日、しつこいくらいアピールしてたから知ってる人が多いと思いますけど、私の誕生日なんですよね。
今年は運よく土日で推しが2人とも8月生まれということもあり、推しのイベント来ないかな~と思ったら来てくれました。

昨年は昼公演しか当たらず夜公演で1st アルバムと1st ライブの告知があってとても悔しい思いをしたので絶対当たるようくらいには買おうと決意していました。

たくさん買おうと意気込むまでもありませんでしたね。とらのあな「では」14枚購入させていただきました。
俺は17「TEMPEST」のオタクだ。道を空けろ。
お渡し会(CARRY MEETING)は3種類あるので全部通ってもいいように買ったんですけど、当たったのは残念ながら14枚購入したとらのあな回だけでした。

CARRY MEETING(お渡し会)の感想

東京の2部に参加しました。

最初は事前にTwitterで募集したキャリさん質問に答えるコーナーがあって、
まあふ〜んって思ったり面白いなと思って聞いていたんですが、
最後に「キャリさんは今年の夏水着を着ますか?」という質問が・・・。
質問まではまあギリ許せるとして(?)、
オタクの反応が昭和のエロオヤジかよって空気で大変寒かった。
女性声優の中では珍しく(多分)女性のファンが多い現場でこの質問と空気はなあ...。
とげんなりしてしまいました。

お渡し会は言うまでもないですが、最高でした。
「誕生日おめでとうございます! 私も「TEMPEST MISSION」の日が誕生日です!」
みたいな誕生日アピールしたら祝ってもらえました(それはそう)

そういうアピールしたんだから当たり前とはいえ、今年初めて誕生日を祝ってもらったのが石原夏織さん(推し)ですよ!?!?
意味分からんくない!?どういうこと!?!?俺も分からん。
出る時に振り返ったら、何故か後ろの女性にも拍手されててちょっと面白かった。(ありがとうございます)

TEMPEST MISSION

イベントはトークパートとライブパートに分かれ、トークパートは昨年同様、司会が鷲崎さんでミッションを3つやって2つクリアすればご褒美がもらえるというものでした。

トークパート

覚えている限り適当に書きます。
☆昼公演
・アキネーター風のカオネーターというミッション:アキネーターを知らずシステムをよくわかっていないまま始めるw
・与えられた設定でキャラクターを演じて可愛いかどうかを観客が判定というミッション:「ラフティング部のマネージャーの役」をやらされていたのですが、「最初は地味な競技だと思ってたんだけど…」ってセリフで始まって「どういうこと??」と思ったら最後に「ボール蹴る奴だと思ってた~」と言ってて完全にリフティングでセリフ言ってて笑った。
・料理:オムライスを作るものでしたが、ヤバかった。普通に卵割ったら温泉卵が出てきてこのスタッフ性格悪くない…?と思いました。
夜公演
・客の「擬音」を聞いてキャリさんが何かをあてるコーナー:例題は「ネコ」だったのに本番では「さいとーP*1」が出される。スタッフの性格...w

TEMPEST 滝行 MISSION

トークとライブの間に流れる幕間映像。去年は何流れてたんだっけ…。
要は滝に打たれながら願いを叫ぶコーナーで、
まずこれを聞いた時点で「絶対ハワイ関連でしょ...」と思っていました。
しかし、滝行に臨むシーンで「今まで誰にも話したことがなくて、新しい自分を知って欲しい」という事前のインタビューが流れて、「おお?」と思うも、
結局、「お仕事にハワイで行きたーーーい!!」で笑ってしまった。いやいや、いつものキャリさんじゃん。
ところで、この映像のお顔めっちゃ良かったですね

ライブパート

1.CREATION×CREATION
結構予想外でした。「絵師神の絆」*2があまりに出ないから闇に葬られてそうそう歌われないと思ってた
これは盛り上がるし、楽しいし良いですね。


石原夏織 1st LIVE「Sunny Spot Story」Blu-ray&DVD 「CREATION×CREATION」short ver.

2.オリジナルスター
1曲目と2曲目のMCで「カバーソングを歌います」と言われ
「知らない曲が来そうだけど、凪あす*3だったらむっちゃ嬉しいな~」と思ったら、「アイカツ!」でした。
これは聞いたことありましたね。
昨年のイベントで「SHINING LINE*」いい曲だなあって感心していたので、その時に色々聞き漁った時に聞いたやつでしたね。
これもまたいい曲だ…。

自分は比較的新参なのでまあ見てない作品がきてもしょうがないみたいなところはあると思ってるんですが(今まで長く応援してくれた人への感謝枠くらいに思ってるので)、
反応に大分濃淡があるというか淡が多いのは新参が多いからなのか?
リアルタイムでファンやっていたら流石に見るのでは・・・と思うのですが。
夜公演では変わるかと思ったら変わらず、「あれ?変えるならここなんじゃないのか…」と思ってました。

3.Crispy love
曲の印象は確かに今までになく可愛いタイプの曲ではありましたが、正直言うとちょっとインパクトが弱いなと思いました。
恋の歌なら作曲者は藤末樹*4だし暗いドメンヘラソンにしてくれよな〜と思っていたら毒のない単に可愛い感じの曲で「う~ん」と思いました。
とはいっても全部の曲を好きになる必要はないですからね。

「TEMPEST」のカップリングということもあり初公開だったので、
可愛い曲ということで振り付けに期待!だったのですが、案の定可愛かったです(おしまい)
全てが許された(ちょろい)。振り付けを楽しむ枠と化した。
これは"ライブ"なので曲が好きでなくても見どころがあれば良いみたいなところはありますからね。

3.5ダンスパフォーマンス
去年の同時期にやっていたイベント辺りから登場するようになった"夏織ダンサーズ"が踊る幕間ですが、
4人のソロを披露した後、舞台の左端から右に向かってダンサー4人が歩いていく振り付けでキャリさんが真ん中に合流。
なんすかこれ、かっこよすぎる…。
そしてそのまま歌へ。

4.Untitle Puzzle(昼)/Ray Rule(夜)
お昼はUntitle Puzzleでした。いっつも思うけど()の(Time goes on)とかって歌わないの?
AJ nightの時からずっと思ってるんですけど。現場のコール感って割と謎ですよね。

夜のRay Ruleは事前のダンスパフォーマンスが変わっていない以上ここは変わらないと思っていたのでむちゃくちゃ驚きました。
Ray Ruleの話はもういいと思うので(前回書いた)これくらいに留めます。

5.TEMPEST
かっこいい(エレガっぽい)曲ですね。
曲(とPV)の感想を書いていなかったので箇条書きで。
・Aメロ→Bメロのシャーンっていうやつが良い
・落ちサビがかっこよくて初めて聞いたときは感動した
・PVの2番Bメロの歩くところがかっこいい
・サビの「まなざしで」の振り付けが良い

なんだこの小学生並みの感想は…。

実際のパフォーマンスの感想は後述します。

6.Sunny You
最後これか~~遂にトリに「Blooming Flower」を使わなくなりましたね。
正直言うと最後は「Blooming Flower」というのが定番になるのかなと思ってました。
でも、これはきっともはや"始まり"を示す必要はないということでしょう。
(ここら辺の曲のチョイス本当に気になるので、ラジオで掘り下げて欲しいんですけどね・・・。)

ライブの楽しさではこれか「CREATION×CREATION」ですね。とても楽しい。今回は楽しい意識だったのかな。
余計なことを考えず楽しめる曲は貴重。

ライブパートの「TEMPEST」の感想

正直言うと、昼公演の「TEMPEST」はかなり音を外しててかなり辛いものがありました。
普通の曲だったら、「ただ今日は喉の調子が悪いのかな?」くらいと思うのですが、この次の週にはアニサマが控えていて最新シングルである「TEMPEST」は絶対披露される訳です。
石原夏織さんの一番の強みは「踊るのに生歌がかなり上手い」だと思っていて、それをフェスのような大きな舞台で見せるには「TEMPEST」はうってつけだなと思ってました。
だからこそいつもの高いクオリティを見せて欲しかったなと思い、珍しく心配になってしまいました。

(生)歌は豊洲PITで初めて聞いた時からむちゃくちゃ上手いなと思っていたから今まで特に不安な気持ちを抱かずイベントに来れたし、もしアニサマでこのクオリティの「TEMPEST」が披露されたら凄く勿体ないなと。
だから、昼公演が終わった後は凄く複雑な気持ちになってしまい、素直に「良かった~」とは言えませんでした。

夜は2サビより後くらいは怪しかったけど、昼よりは断然良かった印象で少し安心しました。

まあ結局その不安はアニサマで解消されて、しかもダンス曲2曲という一番の「主軸」をアピールしてくれて本当に良かったですね。

告知

4thシングル「Face to Face」発売決定!!

1st Tour Live「FACE to Face」決定!!!


昨年の1st LIVEの幕間『「Sunny Spot」を探せ!』でベルを鳴らすと願いが叶うアトラクションへ行った時の願いが「来年(2019年)はライブツアーがしたい!」でした。

2020年にはなったものの、ライブツアーが決まってその場で発表を聞けて良かったと思いました。
これを読んでいてかつアニサマ関連で石原夏織に興味を持った方、「Face to Face」のCDを買えばなんとライブツアーの応募券がついて来るらしいのでよろしくお願いしますね。

シングル曲もカップリングまで全部視聴版が出てます。僕の推しはカップリングの「Taste of Mermalade」です。


石原夏織 4th Single カップリング曲①「Taste of Marmalade」試聴ver.

さて、ここからが本題なんですけど、この告知をした時のキャリさんの反応がむちゃくちゃ淡泊でしたね。
アニサマの時の最後の挨拶ももう一人の推し*5は「この時を一生忘れません!」という感じのことを言っていたはずですが、
キャリさんは同じ初登場なのに、かなり淡泊な挨拶をしていた(内容は忘れた)気がします。

これはキャリさんの姿勢が真剣ではないとかそう思ってるんじゃなくて、キャリさんって基本あっさりしてるよなあと思う訳です。
泣いてるのは色づくBDのトークショーと1st Liveでしか見たことがありません。 だからこそ、1st Liveの涙にはどれだけの嬉しい気持ちがあったんだろうと逆に想像してしまう。
そんなことを思いました。

まとめ(という名の雑感)

毎回同じことを言っていますが先があるのはとても嬉しいことですね。
ついでに普段あんまり書く機会がないので最近のキャリさんについて記しておきます。

ラジオ関連

「Carry up!?」のラジオは最近メールの裁きに余裕を感じて上手くなって前より面白くなってる気がします。
そう感じるようになったのは「TEMPEST」の感想メールくらいの時かな?「TEMPESTを目覚ましにします!」みたいなお便りに対して、「目覚ましにしたらその曲嫌いにならない!?」みたいなツッコミをしてた回。以前よりお便りに対するツッコミが激しくなったというか。

「Carry meeting」でお便りが不愉快だったって話を少し書きましたが、
「身内にネタにされるのが嫌だから」って理由でこれまでこういう類のものは送っていませんでした。
でもあの時「こんな質問が読まれるくらいなら自分で送ったほうがマシだわ」という感想を抱き、
それ以降ラジオでお便り送ろうかなという気持ちが芽生えました。
初めて送ったのは先日書いたアニサマでどうしても共演の話をしてほしくて送りました。読まれませんでしたけどね。

...なんて書いていたらなんと9月30日の「石原夏織のCarry up!?」で自分のお便りが読まれました!!!

しかし、文章が悪いのか中身は勘違いされ、しかも事実誤認のメッセージを送ってしまうという。
お便りに対するツッコミが激しくなった!ぐいぐい来るようになった!とか思ってたらまさか自分がその激しいツッコミを食らうとは…。

言い訳ですが、勘違いされたのはしょうがないとして、Wikipedia見て「そっか、吹き替え初めてなのか!」と思って投稿したんですよ。

Wikipedia許せねえ…。

今年の隠れ目標の一つでした。めっちゃ誤字ってますやん(ちなみに他は最前付近とかサインとかです)。

そうそう、「ラジオでもリトライ!」では10歳くらい下の高尾さんとラジオをやって何というかお姉ちゃん感が出てましたね。
2人が和やかに話されていたのが印象的でした。
10歳年下に妹のように振舞ってたら流石にちょっとヤバいと思いますけど。

でも本人の中身が変わったかというとそんな変わってないので、そのバランスが絶妙ですね。
(誕生日の話してた回のオープニングトークはむちゃくちゃキャリさんらしくて面白かったですね)

良さを生かしながら成長している感じ。

懐古

初めて生で見たイベント(まんなかあいらんどの公録)で「小さすぎ!!」って驚いたのももう2年前なんですね。
あの頃とは何もかもが違う、ファンとしては嬉しい悲鳴。

この言い方は語弊がありますが、きっと私は「声優」石原夏織よりも「アーティスト」石原夏織が好きだから今の活動に不満がないんだと思います。
初めて知ったのは何かのきっかけでJBF*6のサビを聞いた時だったし。そこから当人たちのことは何も知らない曲を聞き始めたんですよね。

前も話しましたけど、キャリさんが単に「好き」だなを越えて「推したい」なって感じた頃がユニット休止とソロデビューの間で冬の時代でした。
その頃のインタビューで「歌いたい」という願いを知って「いつか必ずまた歌ってほしい」と願って、
そしたらソロでデビューして、今やライブツアーをやるように。

――今後の仕事で、やってみたい事ってありますか?

石原:「プライベートの部分を、もっと知ってもらいたいな」っていうのがあるので、毎週じゃなくてもいいんですけど、たまに私の活動している状況だったりを動画で流してみたいなっていうのを去年くらいから考えているので、そういうのに挑戦したいです。あとは、また機会があれば歌を歌ったりとか。ライブ自体すごく好きだったので、そういうのにも挑戦してみたいですし。もっとみんなと楽しい事ができたらいいなって。まだ具体的には考えてなかったので、あれなんですけど…ファンのみんなが純粋に楽しんでもらえる機会を作れたらいいなって思います。
「石原夏織、歌手活動の中で学んだ事とは?」 2017/7/13



ここで言ってたこと、叶ってるよね。
今叶ったんじゃなくてもう既にだいぶ前叶ってますよね。
このインタビューで「今年の夏は暇すぎて何をすればいいか分からない」なんて言っていたし、
確かに好きになり始めた頃はブログの更新(当時は公式ツイッターもなかったから毎日徘徊してた)くらいしか楽しみがなかった気がする。

それに引きかえ今ですよ。

アルマギアでCD出すことも決まっているし(ツイッターにも書いたけど、ラジオ出演していた際に久保ユリカさんと仲良さそうにしていたのは意外でした)、
アニマックス神戸ありますし、秋に3回学園祭と色づくのイベントもあるしシングル出るし。。

次はお歌的にはアニマックスでしょうか。普通に何歌うんでしょうね。

「TEMPEST MISSION」楽しかったです。セトリも良かったし。
鷲崎さんもちゃんと突っ込んでくれるのでMCとして申し分なし。
良い誕生日プレゼントでした。来年もまたやってほしい。あと、来年も逢田さんのBDイベントと被らないで欲しい

*1:アニサマのプロデューサー

*2:タイアップのソーシャルゲーム

*3:今年の春に見ました

*4:ラブライブ!」シリーズの「Love marginal」と「スピカテリブル」の作曲者

*5:逢田梨香子さん

*6:ゆいかおり「Jumpin' Bunny Flash!!」。「ラブライブ!」シリーズではブチ上がり曲しか作ってこないことでお馴染みの河田貴央先生の曲

Animelo Summer Live 2019-STORY-感想 「白」のRay Rule

アニサマ2019の1日目と2日目に参加したのでその感想を。アニメロサマーライブ、ドワンゴでCMやってた頃から知ってるのに、参加したのは初めてでした。楽しかったですね。個人的にはですが1日目が神でした。おまけ程度に他も書いてますが、ほとんど石原夏織さんの話です。

石原夏織

☆前日のツイート

☆当日のツイート



...1曲目がまさかの「Ray Rule」でしたね。2ndシングルの表題曲とはいえ、むちゃくちゃ驚きました。
アニメタイアップがついててちゃんと盛り上がるべきところを抑えられてる「Sunny You」でしょ〜しか思っていなかったので、ムービーが青くてまず「え、まさかUntitle Puzzle*1??」と思ったし、「Ray Rule」のイントロが流れた時の高揚感と言ったら。。


石原夏織 1st LIVE「Sunny Spot Story」Blu-ray&DVD 「Ray Rule」short ver.

↑イントロがかっこよすぎる。こんなのがデビューシングル「Blooming Flower」の次のシングルです!って発表されたら度肝抜かれるよね。是非聞いてください。ちなみにアニサマはほぼこの映像の演出でした。

はじめに

前々からキャリさんでは「Ray Rule」が一番好き〜!!!と主張しているのですごく嬉しかったです。
フェスの選曲としてはTEMPESTとの流れでいけばダンスパフォーマンス色の強い2曲をやるということで、声優アーティスト・石原夏織はそういう方向で打ち出したいのだなと感じました。勿論パフォーマンスも最高だった。だけど、少しペンライトの色でモヤモヤしてしまいました。

石原夏織さんのアニサマは「ゆいかおり」時代から数えると2016年以来3年ぶりで、「石原夏織」ソロ名義としては、初の出演。
つまり、初登場とはいっても「帰ってきた」という側面があると同時に「新しい門出」という側面もあるわけです。

ゆいかおり時代の石原夏織さんのイメージカラーといえばでしょう。
ええ、その通り、会場は真っ青でした。

しかし、石原夏織さんのデビューから今を見てきた僕としてはこれに正直言うと(しょうがないとは思いつつも)悔しい気持ちがありました

何故白が良かったのか?
むしろ、青で悔しいのか?
Ray Ruleとはどんな曲か?という話からしたいと思います。
まあ、めんどくさいオタクの話です。

Ray Ruleとこれまでの石原夏織

ゆいかおり時代はざっくり言えば(当時ファンではないので、推測でしかないですが)、小倉唯さんがキュート担当で石原夏織さんがクール担当(実際のキャラクターはともかく、歌で言えば少なくともそう)だったのでしょう。
ソロでやる意義はユニットの自分の担当部分(ここで言うとクール的な部分)を強めるというのもあるのでしょう。
Ray Ruleは石原夏織は2ndシングルで、1stシングル「Blooming Flower」は始まり爽やかさや始まりがイメージの曲調だったのに対し、カッコイイ石原夏織を前面に出した曲でした。

ファーストシングルが爽やかな曲だったので、今回はカッコイイ曲をやりたいと思いました。それで様々なクリエーターさんに、"石原夏織が歌うカッコイイ曲"をお願いしたんです。そのなかでわたしがもっとも"石原夏織が歌わなさそう"と思った曲が『Ray Rule』でした。
VOICE Channel VOL.4より


上のボイチャンのインタビューではRay Ruleは石原夏織が歌わなさそうな曲を選んだというように、前のイメージを打破するような意味合いがあったように思います。イントロをはじめとした音楽、意志を感じる歌い方、ダンスどれをとっても「かっこよさ」を前面に出しており、どちらかといえばかわいい感じのアイドルユニットであった「ゆいかおり」に対するアンチテーゼ、まさに「ソロの石原夏織」でしかできないことだったように思います。当時の自分も「ソロの石原夏織」がしっくり来たのはこの2nd シングルの時でした。

この後発売した1stアルバム「Sunny Spot」のリード曲のかっこいい感じのダンスナンバーである「Singularity Point」では「いつもの自分から外れて、自分を変えろ!」というメッセージがあったり、声優アーティスト・石原夏織のこれまでのコンセプトは「これまでの自分ではない、新しい自分」であったように思えます。

そもそも、今までのシングル、リード曲で純粋な青色ってないんですよね。
Blooming flower→/
Ray Rule→白
Singularity Point→
TEMPEST→
青なのは1stシングルのカップリング「Untitle Puzzle」と2ndシングルのカップリング「半透明の世界で」だけなんですよね。むしろ青を避けているきらいがあるとまで私は思っています*2

(これは愚痴のようなものです)
だから、1st LIVEの時、観客で縦5つに分けて虹を作るMCがあって、その後に「色づく世界の明日から」のOP「17才」をカバーするというシーンがあったのですが、この虹を作るMCが終わった瞬間に自分の担当カラーやめて青にする人が目立ったのは「なんだかなぁ…」と思ってしまっていました。


「新しい今の石原夏織を見せたい」、1ファンの妄想でしかないですが、これが前回のアニサマから今回のアニサマまでの"物語"だったのかなと。

そこで重要なのがペンライトの存在です。

ペンライトをなぜ振るのか?

我々はそもそも何故なんのためにペンライトを振るのでしょう?

端的に言えば、自分は意思表示だと思っています。
複数人がいるアイドルライブにおいては「推しのカラー」を振るというのは、その推しが好きだという意思表示です。
観客が思い思いの色を振って結果的に「色とりどりの光の景色」となります。
それだけではなく、その曲のセンターの色を振るというパターンもあります。

じゃあ単独アーティストにおいて色を振る意味は何ではしょうか?どちらかと言えば、センター曲に振る場合と同じでその楽曲の世界観に共感し、歌を支える背景として彩るということなのであろうと思います。

今回の「Ray Rule」の話でいえば、アニメロサマーライブという新たな門出を新しい自分(⇔ゆいかおり)として打ち出すことに意味があったのだ思っています。

だからこそ、「白」を振ることは今の石原夏織を示す意味合いがあるのです。
だから「新しい石原夏織」と真逆の方向である青一面に染まった時ははっきり言ってがっかりしました。そんなに過去を見ているのかと。

僕は「新しい石原夏織」をどうせなら「白」で迎えて欲しかった。本当にただそれだけですなのですが。

勿論、「あんな青っぽい演出で白振れなんて分かるわけないだろ」というのは承知してます。
初見では難しいし、アウェーの場なこともわかってるし、本当にただの「気持ち」でしかありません。

ただ、それでも少し悔しい。
「今」の石原夏織を見て欲しい。
だから僕はこうやって筆を取りました。
もしこのブログを読んだ方が今後「Ray Rule」をどこかのフェスやライブで聴く機会があれば「偏屈でめんどくさいオタクが白と言ってたなあ...」って思いながら白を振ってくれると嬉しいなと思いますね。

とはいえ、みんなに認知してもらうのはよほどの有名曲じゃないと難しいから、「サクラ」というか先導するファンの存在も重要で、自信満々に白振るファンがたくさんいたら「あ、これ白なんだ〜」と思うわけです。
実際、「TEMPEST」は真っ赤になってたし。なのでファンのみんなも頑張りましょう。

ところで、Twitterにも書いたのですが、二つ隣のAqoursのブレード持ってたオタクが石原夏織のRay Ruleのダンスの動きとムービーが一致してて演出が凄かった!!」と話をしてたのがとても嬉しかった。
片や、多分隣のRoseliaのオタクは僕のRay Ruleでのテンションの上がりっぷりにドン引きだったでしょう。ごめんなさい...。

その他

いや、この人曲の感想全く書いてないじゃん…。

☆TEMPEST
前週のイベントでピッチが不安定だったので、大丈夫か?と思っていました。最初の「目を覚ませ〜」の音が違うくて「これはやばいぞ」と思ったんですが、それ以外はかなりいい感じでした。
事故みたいなものだろうししょうがないんだけど、なんで最初だけ外したんだ...、マジでドキドキした。
TRY UNITE!
この前の週半分冗談で知り合いに「まめぐいるし、TRY UNITE!来るんすかねー?」と言ってたら本当に来てビックリしましたね。ん、聞いたことあるイントロだぞ、からのこれでした。
☆ファッとして桃源郷
最初みもりんの隣がキャリさんって認識できなくてびっくりしました。近藤うどんこってこんな声だっけ?って考えてたら曲が終わってた。結局思い出せてない。

逢田梨香子

あんまり書くことはないんですが、誕生日イベントでも一番安定感があったし「ORDINARY LOVE」でしたね。アニメタイアップこれだけですし。

前イベントの昼の歌に近い感じでBメロ頭(「太陽みたいな〜」)からロングトーン(「流れる〜」)にクレシェンドがかかり、圧巻でした。
良かった良かった。
逢田さんには気持ちが入りすぎてしまうし、ノリノリな曲でもないから普通に聴きながら泣いてましたね。
自分の席がアリーナの一番後ろだったので後ろから出てきてくれて嬉しかった。近かった。

あと「逢田梨香子でした」とお辞儀したあとの最後の拍手があまりに温かく感じられました。こんな温かい拍手があるんだなって。

Aqours

書きます?書かなくてよくない?
一言でいうなら今回のコンセプトである「STORY」に合わせる必要はなかったかなぁと思います。今回見せたAqoursの「STORY」は少なくともアニサマというフェスで見せるべきAqoursの「STORY」ではなかったように感じました。

その前のTrysailとかSTORY要素はぶっちゃけなかったけどとても良かったじゃないですか。本当にただ盛り上がる曲3曲入れただけだけど(僕は詳しくないですけど、「オリジナル。」みたいな聞かせるタイプの曲もあり得るのに)、僕はむちゃくちゃ楽しかったです。

何故こんな批判的なことを書くかというとまず、僕がAqoursにものすごく期待しているからですね。期待して信じてるからこそ物足りなかったら批判はします。
嫌いだからじゃなくて、むしろ好きだから批判します。

あとフェスという場でAqoursのことを知らない人に誤解して帰って欲しくないからです。
フェスに例えばAqours目当てで行って初めて見るアーティストとかいるじゃないですか。で、この人良かったな〜とかこの曲良かったな〜とかあるじゃないですか。今回の自分だったら畠中佑さんとかそうでしたね。そしたらその時の印象が強く残るじゃないですか。それであの時アニサマで見た人だ〜となる訳。
そういう初めて見た人に「良かったな~」じゃなくて「よく分かんなかったな〜」と思わせるステージはフェスとしては成功とはいい難いと思います。そういう風に思われて帰られるのは本当にもったいない。


今回のセトリはAqoursのオタクじゃない人にとって、初めて見るステージとしては前提が足らなすぎたと思います。
4th day1の「想いよひとつになれ」を見たとき、ファンですら意味を理解するのに時間がかかったというのにいわんやファンではない人をや。

しかし、逢田梨香子さんのインスタであったんですけど、「想いよひとつになれ」はどうやらアニサマのプロデューサーさいとーPからのお願いだったということなのでAqours陣営を100%批判するものでもないというのは付け加えておきます。

ま、来年は未体験HORIZONとDeep Resonanceでアニサマに来たオタク(自分を含む)を全員ブチ上がり骨抜きにするから見てろよ〜(フェスくらいはそういう曲にしてほしいというのが本音です)

共演

今回のアニサマはこれに尽きますね。



https://ameblo.jp/ishiharakaori-0806/entry-12516270313.html

...いや、マジで嬉しいです。ただそれだけです。やはりほとんど現場で会ったことないんですね。
全く違うところから好きになった二人がこうやって交わる瞬間を見れたのは嬉しいなと。年齢も誕生日も近いし、仲良くしてもらえると良いなあって。

アニサマ、楽しかったです。自分の推しが全員出るなんて贅沢ですね。来年も推しが出れるよう応援していく所存です。

*1:1stシングルのカップリング

*2:余談ですが、私はこういう考え方なので「Blooming Flower」では黄色を振る時が多いです。2本持ってたら青も振るけど。

WATER BLUE NEW WORLD〜叶わなくても、"変わる"〜



はい、こんばんはあしかです。
今回はAqoursで好きな曲No.1である「WATER BLUE NEW WORLD」の話です。

まず、関係あるようでない話ですが、この曲をタイトルにした以下の記事が(自分としては)反響が大きかったのは結構嬉しかったです。

ashikaouou.hatenadiary.jp

上の記事はラブライブ!サンシャイン!!がきっかけで転職しました!みたいな話なので、ここからの話を読むにあたっては特に読む必要はないのですが(いや、読んで欲しい気持ちは勿論あるけれど、「お前の自分語りなんか興味ねえ!」という方は別に読まなくてもこの記事を読むことはできるという意味です。まず長いし…)、この記事で1つだけ誤解を生むかな~と思ったところがありまして、それが記事のタイトルなんですよね。

「動けば変わる」というのは最初に挙げた「WATER BLUE NEW WORLD」の歌詞の一部なのですが、この部分における"変わる"のニュアンスと先の記事のそれがちょっと違うかなとずっと思っていて、折角だし「WATER BLUE NEW WORLD」の話をさせていただこうと思います。

"変わる"の3文字

「WATER BLUE NEW WORLD」という曲には評価すべきポイントがいくつかあるのですが*1、今回取り上げるのは歌詞。しかもたったの二行です。

「諦めない!」言うだけでは叶わない
「動け!」動けば変わるんだと知ったよ
「WATER BLUE NEW WORLD」より


たったの二行の言葉ですが、この二行にあまりに色々な意味が詰まっています。
どんな意味を持つのかを考えるにあたってこの二行を以下の図の通り分解してみます。 f:id:ashika_ouou:20190702235032j:plain

図の通りですが、この歌詞を分解すると一行目と二行目は対となっています。

①「諦めない!」⇔「動け!」
②言う(だけ)⇔動く
③叶わない⇔変わる

の3つの対となることを「知ったよ」と読むことができます。

この二行の歌詞の中でとても"Aqoursらしく重要な言葉"があって、それが"変わる"(③の部分)です。

"叶わない"という言葉の対比であるならば、"叶わない"の否定である"叶う"の方が自然なんじゃないかとさえ思います。
更にテクニカルな話をすれば、この"変わる"という3文字は、同じ3文字である"叶う"に出来るはずなんです。
つまり、歌詞のリズムの都合でしょうがなく…とかそういう理由ではないのでしょう。

敢えて"変わる"なんです。
じゃあ何故"変わる"なのか?
凄く単純な話で、あくまで"叶うかどうか"を保証していないから。
でも、間違いなく"変わる"ということは肯定しているからです。

実際に(映画にもあったように)「一番叶えたかった願い」はアニメにおいて叶っていません。
だから、彼女たちがもし"叶う"と言ってもその言葉には説得力がありません
そもそも、彼女たちがこの「WATER BLUE NEW WORLD」で伝えたいことってきっと夢が叶うか/叶わないかじゃない
動くことで"叶う人"もいるかもしれないけれど、どうしても"叶わない"人だってたくさんいる
彼女たちがそうであったように、叶わなくても"変わった"と思える。
動いた過程は必ず何かの糧になって、"叶う人"も"叶わない人"も皆動く前とは変わっている
"変わるかどうか"は自分の認識によって決まるもので、変わったと自分を納得させるために行動するのだということ。
この"変わる"にはそんな意味が内包されているのかなと思います。

おわりに

Q.なんで"変わる"を使っているの?

A."叶う"は事実に基づくけど、"変わる"は認識に基づくから。(この言い方だと"叶うかどうか"はまるで全て事実に基づくようで一般化しすぎな感じは否めないですが、この文脈上の"叶う"においては廃校を阻止できるか否かなので事実に基づくものと解しています)

"叶う"じゃなくて敢えて"変わる"を使うというのは「ラブライブ!サンシャイン!!」のコンセプトである(と勝手に思っている)「一般性」*2を損なわない言葉で絶妙なバランスを保っています。だから、その点が言葉選びが巧みだなあと感じています。そしてすごく好きな点です。

という訳で、くどいですが、先の記事のどこが誤解かというと、『「動けば変わる」から動いて転職しました!』はこの曲の本旨ではなく、『結果にかかわらず動いた過程によって「動けば変わる」のだ』ということ、つまり変わることが必ずしも結果を出したことを表さないはずなんですよね。
これを使いたかったからあのタイトルにしたはずのに、なぜか本文では使われてないんですよね...。

私がこの1年生きる上で、最も勇気を与えられた言葉でした。
「イマ」を生きるための大切な言葉。
この先もずっと忘れられない言葉になるのでしょう。
いや、「イマ」の気持ちを刻むために記すのです。
「ミライ」へ向かうために。

*1:「夢は夢のようで~」の部分の歌詞や「夢が見たい思いや~」などの歌詞だけでなく、目まぐるしく変わる曲調が「駆け抜けてきた素晴らしい日々」を歌っていることなど...

*2:「WONDERFUL STORIES」で千歌の物語の締めくくりを「みんな持ってた」と歌うように

映画「天気の子」感想(ネタバレあり)

※ネタバレをします。視聴していない方は視聴後に読むことを推奨します。
※筆者が見た新海誠監督の過去作品は「言の葉の庭」「君の名は。」のみです。

先々週「天気の子」を見てきた。とても良かった。
君の名は。」はそこまで好きではなかった(むしろその後に見た「言の葉の庭」が良すぎて驚いた)から特に期待はしていなかったし、序盤はふ〜んと思って見ていたのだが、中盤以降はその世界観に引きこまれていった。

何が良かったんだろう?というのを自分の中で3点に分けて整理してみた。

1.ふたりの世界

陽菜と帆高はふたりの世界を見出した。

まず陽菜サイドから見ていこう。
多分、彼女にとってマクドナルドの仕事は価値がないもので、働く意味を見出せなかったのだろうと思う。*1

それでも働くのは凪を守らなければならない、自分が凪を守らなければならないという陽菜の「大人の顔」なのだろう。
陽菜がマクドナルドで働く姿、お金を求めて水商売に行く姿は仕事に生きるため以上の意味を考えられない大人への皮肉かもしれない。

しかし、そんな陽菜は帆高と出会うことで変化があった。
「晴れ女」という当初オカルトでしかなかった存在に価値・意味を見出し、信じたのは帆高だった。
自分の意味を見出せたからこそ、「晴れ女」という仕事が楽しかったのだと陽菜は語っていた。
その点、帆高にうさんくさいオカルト・非科学的なものに携わる仕事をやらせたのはとてもよくできているなと思う。

帆高からみたらどうだろうか。 帆高は当初、生活費を稼ぐための陽菜が生活費を稼ぐための手伝いをしたかっただけだった。
「晴れ女」という仕事をしたことで楽しさを見出したのは帆高も同じだった。

「明日の天気が晴れてほしいか?」と陽菜は消える前に問う。
当初正しく答えられなかったこの問に対して帆高が正しく答えることが出来た時、帆高にとって陽菜は特別だと分かった
もはや帆高にとって陽菜の存在理由は「晴れ女」だからじゃない。彼にとってただ必要、特別だからだ
帆高と陽菜だけの世界は、大多数の人間が存在する世界ではなく、二人だけの世界だ。

個人的にはラブコメディ*2において条件が外れる(無条件の愛になる)瞬間がとても好きで、「天気の子」はその点をよく描けているなと感じた。ラブコメディ的な面でも質が高い。

2.「晴れ女」の代償

しかし、「晴れ女」とが晴れを祈る行為は、世界を晴れにし、人を笑顔にし、帆高と出会えてといいことずくめ…という訳ではなかった。
「晴れ女」が無理やり世界を晴れにする行為は、世界のメカニズムに歪みをもたらしていた。
最初、帆高が船の上で落ちそうになるシーンや急に男子高校生の目の前で水が落ちてくるシーンの通り、晴れた分どこかで雨が降ってくる。
「晴れ女」が祈るという行為は、自分の周りを晴れさせることはできるが、その代償としてどこかで強い雨を降らせる。

そして、晴れ女には「運命」がある。晴れ女は天気を晴れにする代償として、世界を晴れにするために消える。

雨を止めるためには、晴れ女が生贄になるしかない。
それは雨が降るのと同じ「定め」である。世界の晴れか陽菜という一人の女かの二択を迫られていた。

帆高は陽菜を選んだ。理由は単純で、世界の晴れ"なんか"より陽菜が大事だから。 この世界のメカニズムを理解しているのは帆高だけである。*3
世界を背負いながら、その選択を責めるものは帆高しかいない。
実際に帆高が捕まって陽菜の行方を聞かれた時、「晴れ女」のメカニズムによって陽菜が消えたことを説明した。
しかし、「大人」そして力の象徴である警察はその説明には意にも介さず、むしろ精神鑑定が必要かもしれないと述べていた。

天気の子が面白いなと、この作品のとてもいいところだなと思ったところの一つがこの代償だった。
「晴れ女」の行った行為は決して世の中をよくすることではなかった。自分の目に見える周りだけだ。
マクロに見れば自分の見えない場所では歪みが生じ、必ずデメリットが生まれている。
世界の誰かが幸せになるということは世界の誰かが不幸になるかもしれないということ。
そんなリアリティを感じて面白いと思った。

3.因果と選択

エピローグ。

さて、帆高は陽菜を選び、世界を捨てた。本来晴れの生贄になるはずだった陽菜を救ってしまった。
その代償として、雨が降り注ぎ東京は沈み、変わってしまった。
東京が沈んだのは自分の選択が原因だと、東京が沈んだことと晴れ女には因果関係がある、帆高は思った。

…本当にそうなのだろうか?
そう疑問を呈するのは、須賀であった。
世界は最初から狂っていた。だからこうなるのも当たり前なのだ。そう彼は言った。
富美だって沈んだ故郷を見て数百年前の江戸を引き合いに出して、東京は元々は海だったのだと受け入れている。
「運め」とみなして理不尽な世界でも受け入れる。それがこの作品における「大人」のあり方だろう。
その意味において、3年後の世界を描いたエピローグの須賀は良くも悪くも「つまらない大人」になっていた。

確かに、因果関係の成立を判定するのはとても難しい。

昔話ならば悪役を倒して世界に平和が戻るけれど、現実世界はそんなにシンプルじゃないことを皆が身に沁みて知っている。
新海誠監督インタビューより


新海監督の言葉を借りるなら、結果の原因を一つに定められるほど世界はシンプルじゃないのだ。

例えば、地球温暖化
本当に二酸化炭素のせいと断言できるのだろうか?
地球温暖化には今は周期的に気温が上がっているだけで二酸化炭素は関係ないという意見もある。

そもそも温暖化しているのか?ということにすら疑問を抱くものもいる。
神社のおじいちゃんが話していたように、人間が気温を観測して最高/最低気温などの気象データを収集したのはわずか100年かそれくらい。地球の歴史は46億年あると言われているのに100年の観測史上最高/最低気温と言われても46億年の中でどうなのかは分からない。そんな短いサンプルでは普通も何も分からない。そもそも普通って何?

私は地球温暖化の話がしたかった訳ではなく、これだけメジャーで多くの人が信じているであろう地球温暖化という一般論ですら異を唱えるような意見があるのだ。
だから、沈んだ世界にも様々な見解があるのだろう。
世界が沈んだ要因は必ずしも帆高が「晴れ女」を救ってしまったからだとは限らないのだ。
「晴れ女」の存在はそもそも「世界」にとっては「オカルト」だから誰も信じてはいない。
そのことは先ほどの警察の話でもそうだ。「大人」に「晴れ女」の話しても責任能力のない人間*4だと思われるだけだ。

そんな話を聞くうちに、帆高は大人から否定された自分が見出した因果関係を信じきれなくなっていた。

因果をあっさり否定され、自分達の選択の意義を考え直す帆高。 もしかすると自分が「大人」にあらがってまで救った「晴れ女」には意味はないのかもしれない。
自分の選択と東京が沈んだことに因果関係はないのかもしれない。

3年間会ってない陽菜に対してなんて声をかけよう、「君のせいじゃない」と声をかけようかな。
迷いながら最寄り駅を降りて陽菜の家までの途中に出会ったのは天気に向かって祈る陽菜だった。

だから大丈夫だと。

…物語はここで終わっている。
陽菜がなぜ祈っていたのか?
習慣なのか?それとも、帆高が来るからなのか?何なのかは私には一瞬読み取れなかった。

だけど、祈る姿を見て帆高の迷いはなくなった。
少なくとも帆高は「大丈夫」と保証したいと思ったのだ。

取るに足らない 小さな僕の 有り余る今の 大きな夢は
君の「大丈夫」になりたい 「大丈夫になりたい」
君を大丈夫にしたいんじゃない 君にとっての「大丈夫」になりたい
RADWINPS「大丈夫」

最後に流れるこの「大丈夫」の歌詞でいう「大丈夫」というのは君に対する肯定のことなのだと思う。

この肯定は他者から見たらとても醜く悲劇のヒロインぶっていてダサくて、青臭いし妄想でしかない無意味なのかもしれない。 でも、二人にとってそのダサくて無意味なことにこそ意味があるのだと思う。
外の世界の影響を受けず、その意味を見出すのも自分である。
自分が世界を沈めてしまった、そう考えるのは非常に重い。
誰にも責められることなく自分が「世界」の責任を負っている。
とても苦しいし決して賢くはない。
だけど、自分達のやってきたこと、出会いをなかったことにしないため、この苦しい選択をするのだと思う。

やりたかったのは、少年が自分自身で狂った世界を選び取る話。
新海誠監督インタビューより


4.おわりに

「天気の子」について3つの観点から述べた。
ファンタジーなのに所々が妙にリアルで、結末は全くもって世界のハッピーエンドではない。だけど、二人の中に残るのは抗いの証。天気に祈ることを忘れてはいなかった。
だからこそ帆高の選択が映えるのだと思う。

君の名は。」が社会現象となったから、適当に感動して映像で殴る感じの全年齢層狙いのハートフルラブストーリーにしてやろうとかそういうのだったら嫌だなあと思っていた(こんなことを1mmでも思ったバカは私だけかもしれない、こいつ分かってねえな…)。

むしろ蓋を開けてみれば、舞台が新宿歌舞伎町だったり最後の舞台が池袋のラブホテルに未成年で泊まったりとインモラルで小学生には厳しくない?という内容だった(それでも、過去作品のファンから見れば新海誠が一般受けを狙っているという見解もあるらしい。)*5

この作品について述べている時、何度か「大人」と「子供」という言葉を使った。本作品の根底にある考え方はそういうところにあると思っている。
「子供」という言葉には社会(の常識)を理解しておらず、それゆえ「社会」に抵抗し自己中心的な行動をとる。そんなニュアンスなのだろうと思う。

帆高と真に対立する価値観があるんだとしたら、それは社会の常識や最大多数の幸福なんじゃないか。
新海誠監督インタビューより


君の名は。」という「社会」で大ヒットを生んだ作品の後に出てきたこの「天気の子」という作品は、「天気」のような巨大でどうしようもない「社会」へのささやかな抗いだと感じる。
きっと「天気の子」での東京の惨状と同じで完全に抗いきるのは不可能だろう。だけどその爪痕を残すことには意味があるのだと思う。

『天気の子』という作品の何がいちばんのオリジナルかというと、それは物語のセオリーから外れた(のかもしれない)物語を、夏休み興業の映画でやることだと思っています。
新海誠監督インタビューより


作品には大なり小なり生まれる文脈が存在する。「天気の子」でいえば、「君の名は。」という大ヒット作品の後であり、どうやっても『「君の名は。」が、大ヒットした新海誠監督の最新作』と言われてしまう(「君の名は。」の後の作品という意味では誰でも見うると思います) 。

社会に抗うことを選ぶ物語を夏休み興業の映画としてやること、社会における「天気の子」の文脈を踏まえてやっているのだから非常に計算高く、面白いなと感じられた。

新海誠監督、素晴らしい作品をありがとうごさいました。

*1:この部分に関しては、正直言うと分かりません。なぜなら陽菜の過去がどうだったかはあまりに描かれていないから。陽菜の過去が描かれていないのは彼女の変化を見るに当たっての情報が不足していると捉えています。多分そうだろうとは思いますが、個人的にはこの裏付けは欲しかったなあと思います。あまり作品の批判をする気はないのだけれど、今のところの唯一の不満点です。もし裏付けがあったらごめんなさい

*2:天気の子は厳密にはラブコメディではないのですが…

*3:と思ったが、夏美や凪は本当に理解してないの?という疑問はありますね?

*4:精神鑑定を行うのは刑事訴訟上の責任能力・訴訟能力を問うためにあります

*5:まあ「君の名は。」も別にインモラルではないとは言えないのだけど…。