"好き"の力信じて

"好き"の話をします。ラブライブ!、石原夏織、アニメなど。

話数単位で選ぶ、2018年TVアニメ10選+2018年アニメ10選

今回は新米小僧の見習日記さんの恒例企画である「話数単位で選ぶ、2018年TVアニメ10選」に参加させていただきます。
去年からこれやるためにブログ始めようかと思ったんですが挫折しました。今年は遅くなりましたが出来てよかった。
去年やるならラブライブ!サンシャイン!!第7話とこのはな綺譚第11話、すかすか最終話はまず入るでしょうね。共感できる人はマブですね。

ルール
・2018年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。




話数単位で選ぶ、2018年TVアニメ10選

今年見たアニメは...51本。ショートアニメは飽きて見なくなっちゃうから全部30分アニメです。だいたい平均13話として650話くらい?
その中から10選です。
長いので読みたいものだけ読んでもらえれば。


順番は適当です。思いついた順だったり候補から外したところに代わりを入れたり。

1.三つ星カラーズ 第6話「弱点さがし会ぎ」(冬)

「三つ星カラーズ」という作品は学生時代に過ごした上野という地を扱っていることから(個人的に)親近感が湧いていました。
また、小学生の描写がとてもリアル。所謂「萌えアニメ」にありがちな媚びたロ〇キャラというより(そういうのが嫌いとは言っていません)本当にただ純粋なキャラクターに感じられる描写にオリジナリティーを感じ高評価でした。
思い出したんですが当時同じクールで放映してた「りゅうおうのおしごと!」と比較してりゅうおうは「養殖のロリ」でカラーズは「天然のロリ」って話してましたね。いや、この話要らなくない?
カラーズの女の子3人はどちらかというと"小学生男子的"に感じられるアホ具合がとても良いです。

話がズレましたが、その中でも高く評価している話がこの第6話。
Aパートは食べれる雑草を探して茹でてみたけどめっちゃまずかった(それはそう)みたいな話で、Bパートは所謂「日常系」における「マンネリ回避」の話でした。
普通「ありがち」なマンネリ回避の手法の一つとして「新キャラの登場」がある訳ですが、この作品では異なる手法でマンネリを回避していきました。 それが、今いるキャラクターのパワーバランスを変えること。それまでの三ツ星カラーズという作品はさっちゃんが突っ走り、それに突っ込んだり乗ったりする結衣や琴葉。結衣がだいたい振り回されて、琴葉は寡黙に冷静キャラでいっつもゲームに夢中、という風にだいたい固定されていたのですが、この「弱点さがし会ぎ」では、このパワーバランスにメスを入れるのでした。

さて本編に入ると、結衣とさっちゃんの弱点を言った後琴葉の番。さっちゃんは琴葉に対してどうも遠慮があるみたいで(琴葉みたいなプライド高そうな人にはいじりづらいみたいな。こういう微細な人間関係を描けている点も好きですね)「高い所から落ちると骨が折れる」なんて意味の分からんフォローを入れるんですが、逆に純粋な結衣は触れてはいけないことを言ってしまいます。
結衣「ああ私知ってるよ、あのねー・・・」
さっちゃん「ちょっと待った。それ言っちゃダメなやつじゃないよね?」
琴葉「なんだそれ、言っちゃダメなやつって何だ。結衣ちゃんと言って。秘密はなし!」
結衣「琴葉の弱点はゲーム下手だよね」

琴葉が「ゲームが下手」っていう設定があまりに面白くて驚きでした。それを悪気なく言ってしまう結衣、そしてちょっと引いてるさっちゃん、そして「こんなにゲームばっかりやってて下手くそなわけが…」と慌てる琴葉とそれを否定しないさっちゃん。そして泣いちゃう琴葉。みんなかわいい。三ツ星カラーズすげえよって思った瞬間でした。

これ以降の琴葉がゲームやっている姿は「寡黙なゲーム好き」じゃなくて「下手なのにゲームやっている」とか「下手だからむちゃくちゃ時間かかっているんでは?」とか琴葉がゲームをやっているだけでクスッと笑えるようになるという今後の三ツ星カラーズに新しい見方を与えてくれた素晴らしい回だったなと思います。また、琴葉がただの冷静キャラ以外の新しい側面、一番大人びているように見えた琴葉もゲームのことを言われて怒ったり悔しくて泣いたり「ガキ」なんだよなと思わせてくれるのがとても新鮮でしたね。
さっちゃんは割と相手のことを考えてるんだなとか結衣はなんも考えてねえな…とかちょっと腹黒いよな…とか他の二人のキャラクターにも新しい色付けをできていて面白かったです。
次回予告も性悪の結衣が出てて良かったです。

2.宇宙よりも遠い場所 第5話「Dear my friend」(冬)

よりもい、花田先生お得意?の1話解決型青春物語でした。
この手の青春物語というのは選ばれるもの成し遂げられるものに話が当たるのが常ですが、この話は「選ばれないもの」の話でした。
「選ばれないもの」としてフォーカスされたのが、キマリの親友のめぐっちゃん。めぐっちゃんはキマリにとって自分がいなきゃどうにもならない存在だとというところに自らの存在価値を見出していました。
しかし、物語が進むにつれ「南極に行きたい」とか突拍子も無いことを言っていたキマリがどんどんその夢に近づいて行動して独り立ちしていきます。すると「キマリの保護者」という自らの存在価値が失われていくのに気づいてしまいます。
本来「キマリの保護者」としてあるならキマリの独り立ちを応援しなければならないはず。しかし、めぐっちゃんは離れていくキマリや他の南極メンバーに裏で様々な嫌がらせをして暗にやめさせようとしていきます。後のセリフにもありますが、キマリに頼られることに存在意義を感じていたのでキマリに依存していたのはめぐっちゃんなんですよね。
さらにその嫌がらせに対して意にも介さないキマリの反応がさらにめぐっちゃんの「痛さ」を際立たせます。
そして最後のキマリの旅立ちのシーン。
そこに現れたのがめぐっちゃん。嫌がらせに罪悪感を感じ、依存していたのはキマリじゃなくて自分であったと気づいためぐっちゃんは「嫌がらせをしたのは全て自分。絶交しよう」といいます。
でもそんなめぐっちゃんに「一緒に南極に行こう」「絶交無効」って言うんですよね。
ここからのEDの入りが秀逸。本当に「ここから始まる」んですよね。絶交じゃない、めぐっちゃんと新しいキマリとの関係、そして南極への道は全てここから始まる。この話に限らず、毎話毎話「ここから始まる」んだと思わされます。

最初めぐっちゃんが現れた時「えっ、マジかよ...」って思いました。2018年のアニメで一番「え!?」となった瞬間だったかも。僕の中での「よりもい」に対する認識が変わった瞬間でした。 この名シーンに限らず改めてこの1話を見返すと本当によく出来た話だと思わざるを得ない。
次点は「選んだんだ」ですね。「他に道はなかったんじゃない、他にあった道の中から自分の意思で選んだんだ」という趣旨のキマリのセリフは凄く心に残っています。ほとんどこのセリフのインパクトなんだけど不人気で悲しいです。

3.音楽少女 第6話「ニクとアイドル」(夏)

なんとなくB級アニメ感があるんだが、筋は割としっかしていた音楽少女。 この手の1話単発の話は「問題発生→悩む→解決→解決による変化」というプロセスを辿ると思っています。
大概の場合は解決でオリジナリティを生み出すことが多いのですが、この話は「問題」と「解決による変化」斬新という点で相当なオリジナリティがあった点を評価しています。

まず、問題が作詞家の大御所の夏樹先生がスランプに陥って詞を書けなくなってしまって音楽少女に提供できなくなったという話。
そこだけ見れば普通なんですが、夏樹先生(堅物そうなおじさん)と花子とミク打ち解けていくにあたって
どんな風に作詞しているのかにフォーカスされていきます。そこで、夏樹先生(おじさん←重要)が、放つセリフが
夏樹先生「これは私の中の17歳の少女が書いたものだ」
花子「それって…?」
夏樹先生「17歳の少女としての私だ」

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花子とミクのイメージ

夏樹先生「人は性や年齢を越えて感情を共有することができる。私は女子高生の揺れる心と自分が重なることが多くてね。心の底に流れる感情に嘘はない。だから今までずっとアイドルソングを作ることが出来た」



心や感情というのは性や年齢に囚われるものではない、その気持ちに逆らわずに作詞をしているというのが夏樹先生の答えでした。
花子とミクも音楽少女のメンバーの心の中にも色々な人格がいるんだと納得します。
最初こいつ何言ってるんだ?と思ってましたが、なるほどという感じ。性や年齢というラベル付けをされた肉体と心は別という話ですね。プラトンとかその辺りの哲学ぽいですね(※ちょっと適当です)園田海未(17)を自称する私には共感しかないのだが
作詞が出来ない理由は「夏樹先生の中の17歳の少女が死んでしまった」ということ。それを蘇らせるためにダンスが得意なミクがダンスを披露します。
すると途中から夏樹先生が一緒に踊り始めるんですよね。心の中の17歳の少女が蘇る瞬間。あまりにシュールで爆笑しました。
ただ、この話が面白いと思えるのはそのシュールさだけではなく、扱っている題材とその答えが的を得ている点にあるんですよね。「ラブライブ !」に関係ない記事でその話するんかいという感じではありますが、「ラブライブ !」の楽曲の作詞を担当している畑亜貴さんは雑誌のインタビューでこのように答えています。

Aqoursの作詞をする時は、自分の中の時間を少女時代まで巻き戻して、当時考えたり、感じていたことを思い返しながら書いています。
「電撃G's magazine号外 ラブライブ!サンシャイン‼︎Aqours Winter Special 2018」畑亜貴インタビューより


これを見た瞬間、「いやいや、音楽少女第6話じゃん!!!」って叫んでしまった*1。 なり得なくてもそのものになりきって作詞をする。そういった作詞家にとってのあるべき姿に悩む姿を描き、誰の心にも存在する「なり得ない自分」というのがテーマの話だったと思います。

4.ハイスコアガール 第9話「ROUND 9」(夏)

ほんっっとうに最後が惜しいアニメでした。
まあ最初はぶっちゃけ日高小春が私のどストライクという理由だけで見ていたのですが、見ていてよかった。
この回はハルオの気持ちの変化が描かれます。

中学三年生のハルオが高校で離れる大野のことを意識して初めて自分の大野への気持ちが「ゲームを通して一緒にいたい」じゃなくて「ただ一緒にいたい」んだということに気づき認める回でした。
大野はお嬢様なので行く高校は一番難しい学校を受けるのは決まってます。ゲームしかやってこなかったハルオには厚い壁なんですが、初めてゲーム以外のことに真剣に取り組みます。
Bパートはハルオが受験勉強に取り組む話なんですが、流れるように過ぎて受験の日になり、待っていたのは、大野の執事(爺や)。ハルオの母親から大野と同じ高校を受けるということを母から聞いていたようで、爺やの車で高校へ行くことに。爺やの車に乗る際に爺やが「お嬢様には伝えていませんので、おぼっちゃまからお伝えください」っていうんですね。爺やかっこよすぎかよ。
この後の大野に対するハルオの言葉もすごく良くて、進化していくゲーム業界について語って「この大きな流れを大野と見ていけたら、どんなに楽しいかと本気で思ったんだよ」って言うんですよね。この発言からハルオにとって大野は好きな女性であってなおかつ同じ趣味を共有できる仲間であるという絶妙なバランスを示しているんですよね。大野もまんざらでない様子(しゃべらないけど) 。
そして試験会場へ。その後の話はあえて書かないでおきます。

ゲームというオタクとして割と身近な題材を扱ってなおかつ趣味が同じ人間の恋仲を最高のバランスで表現してくれたラブコメディだったと思っています。特に9話Bパートのスピード感は見ていてすごく楽しく、しかも強烈なオチまでつけてきたという点で評価が高い。僕はこの9話見た後10分くらい壁にもたれてぼーっとしてました。泣くことはあっても、もたれて余韻に浸ることはなかなか無い。

5.りゅうおうのおしごと! 第3話「研修会試験」(冬)

冬アニメ養殖ロ○枠だった「りゅうおうのおしごと!」。あ、僕はロリコンではないです(重要)
そんな冗談はさておき、このアニメすごく熱いんだよな。 小学生のあいが3連勝しないと将棋を親にやめさせられるという話でしたが、最後の相手が女流タイトルの空銀子という無理ゲーなんですけど、それでも「勝つ」ことを求められる以上あいは精一杯戦うんですが、負けてしまいます。
この時のあいの負けた悔しさで泣いてしまいます。ここの日高里菜さんの演技が本当に良いんですよね。この演技に悔しさをにじませる様子、帰らなきゃいけない無念、それを認めたくない気持ちが全て詰まってる。
この後あいという「弟子として転がってきた」人間を八一が「弟子として取りたいんだ」と土下座するシーンもすごく良かったですね。
将棋シーンの気持ちのぶつかり合いのような熱さ、あいの涙、そして八一の土下座も良かったですね。いや、何より良いのはあい役の日高里菜さんの演技が良すぎる。それだけで選べる。

6.やがて君になる 第12話「気が付けば息もできない」(秋)

凄い簡単に言うと6話で明かされた燈子の「死んだ姉のようになる」というアイデンティティが「姉が自分に見せた姿は姉のごく一部だ」ということを知り壊れるのが11話。そして、この12話では「ありのまま」の燈子が好きな侑との関係が動き出す話です。
Aパートでは燈子がアイデンティティを失ってしまったことを強く印象付けるように「本当の私はどこにあるのか?」と劇中で悩む燈子。作品の「舞台装置」としては見事だなと思います。
Bパートでは、今まで侑は燈子の気持ちを尊重するあまり「私のことを好きにならないでほしい」と言っていた燈子に従っていた侑。しかし、侑は燈子から「自分の目指していた姉は姉ではなかった」ことを告げられます。でもそんな姉を演じないありのままの燈子が好きな侑は燈子に自分を肯定してほしいんから「誰かになる必要があるんですか?」と聞いてしまうんですよね。「誰かにならないといけない。私は自分が嫌い」と答えた燈子に対してすごく怒る侑。燈子に自らを肯定してもらうために燈子自身を反映している劇の結末を変えようと侑は動き出す。

この話のこれから解決に向かっていくところや、侑の気持ちが強く出る部分そしてその気持ちを抑えきれず動き出す部分が凄く好きです。
6話や11話も好きですが、「舞台装置」としての劇の演出で燈子の空虚な気持ちをうまく反映した点、「好き」の気持ちを閉じ込められた侑が燈子との関係性が変えようと動き出すというキーストーリーだった点もあり12話を選びました。

7.青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない 第10話「コンプレックスこんぐらちゅれーしょん」(秋)

このアニメは一言でいうならエモーショナルなアニメなんですよね。「思春期症候群」とか量子力学とかやたら小難しい設定を出してくるんですが、結局最後はそんなの関係ねえと主人公が理論を無視して気持ちで解決する話なんですよね。「思春期症候群」自体もまあ気持ちの問題といえばそうなのかも。

この第10話では芸能人として大成功を遂げている大人気女優の麻衣にその腹違いの中堅?アイドルの妹ののどかが抱える姉へのコンプレックスによって麻衣とのどかの体が入れ替わってしまったのが第9話。10話はその解決編。

のどかの劣等感はカインコンプレックスという優劣のある姉妹が比較され続ける事で親からの十分な愛を受けることができず、その結果姉(妹)に対しての憎悪を抱き、対人関係も悪化し過剰な自己否定につながるというものでした。のどかが劣等感にまみれているというのは発言の随所から伺えます。
アイドルとしてうまくやる麻衣(のどか)に対してのどか(麻衣)は女優として上手くいかずのどかの劣等感は刺激され続けますが、極め付けはの麻衣はのどかとしてのどかの夢だった自分のアイドルユニットでセンターを取るんですよね。それにのどか(麻衣)は今まで一度も見たことのなかったのどか(麻衣)を褒める母親の姿を見るんですよね。

そしてコンプレックス爆発して、自暴自棄になって海に飛び込もうとするのどかですが、のどかは咲太が麻衣と恋人だから止めてくれるって分かっていてやっているんです。それを見透かしている咲太のセリフが「だったらこんな卑怯なやり方で僕を試すな。助けてもらう前提で海になんて入るな馬鹿!」なんですよね。あまりに正論であまりにかっこいい。
でも咲太が止めた理由はのどかの思っていた「麻衣が大事だから」だけではなくて「のどかがいなくなったら麻衣が悲しむから」なんですよね。自分のことを歯牙にもかけていないと思ってるのどかは「そんなことはあり得ないと」否定するんですけど、麻衣が幼いころののどかのファンレターを大切にしていたことを明らかにするんですよね。動揺するのどかの後ろから麻衣が現れます。

麻衣にとってのどかという妹が好きだといってくれることは他の大人と違って「純粋なお姉ちゃんへの憧れ」だったからこそ、大人気女優としてのモチベーションになっていて仕事が好きになれたんだと話します。 でも、のどかにとって麻衣は目指さなければいけない存在だと母親に教えられてきた。だけど才能を持ち合わせている麻衣はのどかにとってとても高い壁で、のどかが母親に褒められることはなかった。だからこそ愛着を得られないことにより劣等感を感じ続けていたのでした。その感じた劣等感はまだ元には戻りません。
もう一つが、のどかの母親の話。麻衣が母親を褒めるシーンでは母親から「期待に応えようとするのどかが本当に幸せなのか?」という不安を感じ取っていました。のどかが期待に応えようとするのは「怒ってばかりのお母さんに喜んでほしかったから」なんですけど、麻衣は「これからは自分の選んだことで母親を喜ばせてあげなさい」と言ってのどかはそこで「姉のようにならなくていい、姉を追わなくていいんだ」と気づくんですよね。
この話、センターを麻衣の状態ののどかが取ってしまったことにより「のどかが得たかったセンター」を麻衣が奪ってしまった点では、のどかのコンプレックスが解決された訳ではないと最初思ってモヤモヤしたんでよね。でも違うんですよね。のどかはきっとお母さんに認められるための手段が姉だけじゃないんだろうなと思います。


最後の咲太と理央の会話も「桜島先輩にも妹さんを羨ましいと思う気持ちが少なからずあった。」と言っているのも面白いです。二人の入れ替わりはお互いのすれ違いを解消して分かりあう契機だったんですよね。麻衣にも妹に嫌われているということが少し重荷だったはずでだからこそ妹に対して不器用なコミュニケーションしか取れなかったんですよね。カインコンプレックスで劣等感を持たれる対象もいい気持ちはしないってことなのかなと。推測でしかないですが…。

青ブタは全体的にかなり面白かったんですが、この姉妹編は小難しい面が薄くてテーマが「親と子供の関係」「姉妹のコンプレックス」と話が分かりやすく、感情移入しやすかった点、(あまり書きませんでしたが)咲太がむちゃくちゃカッコいい点を評価しました。

8.ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第10話「「愛する人はずっと見守っている」」(冬)

ヴァイオレット・エヴァーガーデン、手紙を通してヴァイオレットが心を取り戻していく話でした。
ファンタジー要素が少なく話は分かりやすかった印象。
ただしがつく豊作だった2018年冬にやってしまった点が唯一の汚点でしたね。
この話は命の短い母と娘(アン)の手紙の物語でした。
最初「誰に向けた手紙なんだ?」とか「なんでタイプライターとしてすごく優秀なはずのヴァイオレットが7日間も必要なんだろう?」という疑問がありましたが、 しかし、ここら辺の疑問はラストで鮮やかに解決します。本当に鮮やか。
こんなん泣くに決まってんだろ…。母も娘もヴァイオレットも優しさしかねえよ…。

「わたしより大事な手紙なの?」「アンより大事なものなんてないわ」

「後で一人になるくらいなら、私と今一緒にいてよお母さん!!」

「人には届けたい思いがあるのです」



死にゆくものと死を予感している子供、親の使命そして手紙の役割と25分に様々なテーマが詰め込まれていたなと。久しぶりに見たらボロ泣きしました。
何も言うことはありません。私の陳腐な言葉でネタバレするより見てほしいなと思ってしまった。

9.色づく世界の明日から 第13話「色づく世界の明日から」(秋)

僕が面白いと思ったアニメ最終話を高く評価することは稀なのですが(評価が高すぎると最終回に対する期待が上がりすぎるのでだいたい超えられない)、
この作品はしっかり越えてきたなと思います。
そもそも言うと僕が思っていた"解決"とは違うんですよね。
この話ラブコメ的には悲恋になるんじゃないか?と思っていました。そこをどう解決するか?が自分の中での、1話じゃ終わらないだろうな〜という不安を持っていました。
しかし、この話はそもそも二人が結ばれるみたいなラブコメディではなかったんですよね。
瞳美や唯翔がお互いを求めることで、人を幸せにすることの喜びを知り、自らの気持ちを取り戻していく物語」だったんですよね。
だから瞳美も唯翔も貰った気持ちさえ残ればいいんですよね。結末にはすごく納得しました。
ああ、客観的に完全なハッピーエンドじゃないのに主観的(当人から見れば)ハッピーエンドだって。
客観的にハッピーエンドではないというのは琥珀も言っているように「人の幸せにするのが魔法使いの役目なのに、一番大事な人達の幸せは守れなかった」ということなんですよ。瞳美(と唯翔)という一番守りたいものの幸せは守れなかった。その痛みを抱えて、そうなることを60年間知りながら生きてきた琥珀のことを考えるととても胸が痛みますね。トラブルメイカーのように見えて凄く重い使命を背負ってる琥珀がとても好き。
この後の絵本のくだりもとても良かった。

10.レヴュースタァライト 第9話「星祭りの夜に」(夏)

キャラクターはまひるが一番好きなんですけど、この話を選ばせていただきます。
第7話からいきなり世界がループするfantasyになってかなり驚きましたね。
7話では「大場なな」における消えていく生徒に心を痛めるシーン、ばなななりの優しさなんだよねえ。 第9話はその第7話の解決編。

どんな舞台も一度きり、一瞬で燃え上がるから価値があるの by華恋
消えてしまうから、私が守らなきゃいけない byばなな



一度しかできないから価値があると未来を向く華恋と繰り返すことで過去を守るばなな。二人の価値観は相容れないように思えます。

このレビューでばななは負けてしまうんですが、この後の純那とばななのやりとりがいいんですよね。
ばななが守ってきた第99回スタァライトはただ守ってきただけじゃなくて、より良くしようと少しずつ改良されていました。
その精神はたった一瞬しかないスタァライトより良くしたいという舞台少女の気持ちと同じだよと純那は言います。
だからばななは一人で守る立場じゃないし、繰り返した99回の再演の時の改良は無駄じゃなくてこれからの未来を作っていけるんだと綺麗にまとまってましたね。
あとEDが良い。

その他候補

惜しくも選外となった話を記載しておきます。
宇宙よりも遠い場所」 8話、11話
ヴァイオレット・エヴァーガーデン」7話
「色づく世界の明日から」8話、11話
やがて君になる」6話、11話
「レヴュースタァライト」5話、7話
シュタインズ・ゲート ゼロ
からかい上手の高木さん」12話
ソードアート・オンライン アリシゼーション編」9話
あそびあそばせ」3、9話
3D彼女」2話
魔法使いの嫁」15話、20話
ゆるキャン△」8話

2018年アニメまとめとTOP10

こちらも簡潔に載せておきます。
ー以下がB+ー
1.色づく世界の明日から(秋)
2.三ツ星カラーズ(冬)
3.宇宙よりも遠い場所(冬)
4.魔法使いの嫁(冬)
5.ヴァイオレット・エヴァーガーデン(冬)
6.あそびあそばせ(夏)
7.青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(秋)
8.シュタインズ・ゲート ゼロ(夏)
ー以下Bー
9.多田くんは恋をしない(春)
10.ゆるキャン△(冬)

昨年はB+以上が4つだったのに対して今年は8つというか冬クールで4つでした。冬クールは稀に見る豊作でした。1年のTOP10のうち半分が冬クール。ゆるキャンももう少し穴のクールにやってくれればもっと楽しめた気がする。
僕の評価軸の一つに「作品としての終結がきちんとしているか」というのがあるので最終話であまり納得のいかなかった作品の評価は下がります。10選に上がっていたうちでは「ハイスコアガール」や「やがて君になる」「レヴュースタァライト」は消えています。

今年のMVPは「色づく世界の明日から」。書いたとおりですが、結末の美しさは期待以上でした。また1話から感じていましたが、色使いが本当に鮮やかで作品を丁寧に作っているなというのが伺えました。ただ、何を入れても蛇足だなと感じるので続編は不要です。

まとめ

作品は割とすんなり決まりで少し入れ替えたりはしましたが、書くのに苦労した。アニメを褒めるの難しいな。途中から簡潔にまとめようとして長さがバラバラになってしまいました。

見ての通り私が選ぶアニメは重いアニメが多いんですけど、そんな中そうではない系統の「音楽少女」や「三ツ星カラーズ」はひときわ優秀な1話だったなと思います。

2018年1年を振り返れば、冬は超豊作、春は不作、夏は豊作ではないが1話のインパクトの強い作品が多く、秋は豊作という印象です。(選んだ作品は冬4、春0、夏3、秋3)

順位はつけないのがルールとありますが、それを無視して敢えて挙げるなら(は?)MVPは「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」10話です。
見直したらビックリするくらい綺麗な話で非の打ち所がないなと感じてしまいました。
次点は「ハイスコアガール」9話。ハイスコアガールは2019年3月に続きのROUND13〜ROUND15があるらしいので楽しみですね。普通に終わってくれれば今年のトップだっただろうし、円盤買ったんですけどね。

2018年は楽しい作品が多かったし、2019年もそうだといいですね。おしまい。

*1:厳密に言えば畑亜貴さんは女性のため「現在」なり得ない自分ですがね